2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ああ少年の時に期望したことの中で、まア何を一つしでかしたか、

「ああ少年の時に期望したことの中で、まア何を一つしでかしたか、少壮のころにさえ何一つ成遂げなかッた者が、今老の坂に杖突く身となッて、はたして何事ができようぞ、もはや無益だ、もはや光沢も消え、色も衰え、ただ風を待つ凋れた花、その風が吹く時は……

大岡昇平「盗作の証明」青井浩・左近信行の参照する宮崎訳カミュの文章と調査した海野謙作の死

…海野は、「同一文章が二つの頭脳から創られることがあり得るかどうか」という形で問題を立てていた。 「…『騒乱のバラード』と『制度の子供たち』の問題の箇所が、A、Bとマークして、並記されていた。 A・「冷酷な夕暮が樹木のない街に落ちかかる頃、男と女…

かねがね、わたしは海野小太郎幸長の伝記をかいてみたいと思っていた

「かねがね、わたしは海野小太郎幸長の伝記をかいてみたいと思っていた。ことわっておくが、「幸長」であって、「行長」ではない。」 花田清輝「小説平家」冒頭

ウィトゲンシュタインは、言葉に関して「教える」

「ウィトゲンシュタインは、言葉に関して「教える」という視点から考察しようとした。これは、はじめてではないとしても、画期的な態度の変更である。子供に言葉を教えること、あるいは外国人に言葉を教えること。いいかえれば、私の言葉をまったく知らない…

形而上学の内部にしか存在しない。

「隠喩的なものは、形而上学の内部にしか存在しない。」 マルチン・ハイデガー デリダが『余白』(豊崎光一訳)集英社版『世界の文学38−現代評論集』p.438

語らない。隠さない。それは仄めかすのである

「それは語ることもしない。またそれは隠すこともしない。それは仄めかすのである」 ヘラクレイトス

バンヴェニストの発見は、意味の生成過程の発見

「バンヴェニストの発見とは、異質的で多価的な物質性としての意味の生成過程の発見にほかならない。」 ジュリア・クリステヴァ

なぜ、無があるのではないのか?

「なぜ、そもそも存在するものがあって、無があるのではないのか?」 マルチン・ハイデガー『形而上学入門』冒頭ライプニッツ『自然と恩寵の原理』からの引用

オウィディウス『変身譚』

「お尋ねのこと、大いに語るに値する物語ゆえ、まずはくわしくお話しすることにしよう。」 オウィディウス『変身譚』 高山宏「ワールド・メタファー表象批判の寓話」冒頭で引用

自分が解決できる課題だけである。

「人間が立ちむかうのはいつも自分が解決できる課題だけである。」 カール・マルクス

これからの詩人 タカの知れたもの

「これからの詩人が、旧来の詩法を守りつづけて創造しうる作品なんか、タカの知れたものでしかありません!」 ギョーム・アポリネール 1915年11月15日 手紙(堀口大學訳)

他の要素をすべてそぎ落 としてギターだけにして

「…最後のセッションで、ピート(ピート・カラード (ギター))は72曲分のギターを弾いたんだ! そこからは、素材のどこを切って、どこをどうつなげて一つの音楽にするかという僕の腕にかかっている。彼のギターにはいつも驚かされたよ。他の要素をすべ てそ…

…カントが純粋理性の批判を試みたのも、

「…カントが純粋理性の批判を試みたのも、この空無な場所に向かって開かれた、思考の不安で危うい存在を直視したからであり、思考の近代的な可能性のかたちを確保するためであった。」 内田隆三『ミシェル・フーコー』講談社現代新書 1990 p.33 34

Gershon Kingsley"Popcorn"

「テクノ」の原点は?クラフトワークの『放射能』か? ガーション・キングスレイの『ポップコーン』か?1969年ガーション・キングスレイのアルバム『Music To Moog By』収録 1972年ガーション・キングスレイ中心のグループ「Hot Butter」バージョンリリース …

電話を切ったら…

"Stu, if you hang up, I will kill you" 「スチュ、電話を切ったら、お前をころす」

大江健三郎の『懐かしい年への手紙』を読んで、私は

「大江健三郎の『懐かしい年への手紙』を読んで、私はローレンス・ダレルの『アレクサンドリア・カルテット』を思い出した。そこで、第一部は、「私」という小説家の語り手によって書かれ、第二部は、その小説を「私」が反省してあらためて書きなおすという…

理解できる?

「誰に死が理解できる?」ジェイムズ・ジョイス 1941没

ソシュールは「話す主体」から出発するという。

「ソシュールは「話す主体」から出発するという。しかし、それは、実際は「聴く主体」である。あるいは、デリダのいい方でいえば、自分が話すのを聞く主体である。ソシュールの言語学は、したがってまた構造主義は、結局現象学的な独我論に内属せざるをえな…

ひとりの思想家について論じるということは、その作品について

「ひとりの思想家について論じるということは、その作品について論じることである。これは自明の事柄のようにみえるが、必ずしもそうではない。」 柄谷行人「マルクスその可能性の中心」冒頭

本質的な思想家は一つ

「本質的な思想家は一つの課題しかもたない。」 マルチン・ハイデガー

大江健三郎の作品には、処女作以来固有名がない。

「大江健三郎の作品には、処女作以来固有名がない。固有名がないというのがいいすぎだとしたら、人物たちの名はタイプ名であるといってよい。」 柄谷行人「大江健三郎のアレゴリー−『万延元年のフットボール』」冒頭

昭和という言葉、あるいは昭和という時代にかんする言説が突然氾濫

「昭和という言葉、あるいは昭和という時代にかんする言説が突然氾濫しはじめたのは、一九八七年夏、天皇の病気が伝えられたときであった。一九八九年初めに「昭和」は終わった。」 柄谷行人「一九七○年=昭和四十五年−近代日本の言説空間」冒頭

本当の絵師になれただろう

「もし天命があと5年あったら、本当の絵師になれただろう」 葛飾北斎 1849没

箱の内部を内容と呼ぼうと形式と呼ぼうと、

「箱の内部を内容と呼ぼうと形式と呼ぼうと、また外部を意味と呼ぼうと外観と呼ぼうとほとんど問題ではない」 ポール・ド・マン『読むことのアレゴリー』p.5

70年代末は文学批評史のなかでも極めてドラスティック

「70年代末という時代は文学批評史の流れのなかでも極めてドラスティックな転換期の一つにあたると考えてよいだろう。」 土田知則「『読むことのアレゴリー』を読む(1)」 千葉大学人文研究第33号 p.271

ありがとう

「ああ、美味しい。ありがとう」 ヨハネス・ブラームス 1897没 最期のワインを味わいながら

〔居合膝の部〕四本目「柄当て」

「〔居合膝の部〕四本目「柄当て」 〔要義〕前後にすわっている二人の敵の殺気を感じ、まず正面の敵の「水月」に「柄頭」を当て、続いて後ろの敵の「水月」を突き刺し、さらに正面の敵を真っ向から切り下ろして勝つ。」 財団法人全日本剣道連盟『全日本剣道…

〔正座の部〕ニ本目「後ろ」

「〔正座の部〕ニ本目「後ろ」 〔要義〕背後にすわっている敵の殺気を感じ、機先を制して「こめかみ」に抜きつけ、さらに真っ向から切り下ろして勝つ。」 財団法人全日本剣道連盟『全日本剣道連盟居合(解説)』p.15

〔正座の部〕三本目「受け流し」

「〔正座の部〕三本目「受け流し」 〔要義〕左横にすわっていた敵が、突然、立って切り下ろしてくるのを「鎬」で受け流し、さらに袈裟に切り下ろして勝つ。」 財団法人全日本剣道連盟『全日本剣道連盟居合(解説)』p.16

私は死にたいときに死ぬだろう。

「私は死にたいときに死ぬだろう。そのときは誰かと一緒だと思う。一人で死ぬのはつまらない。親友と一緒に死にたいね」 ジャック・ヴァッケ 1919自殺