大江健三郎の『懐かしい年への手紙』を読んで、私は

大江健三郎の『懐かしい年への手紙』を読んで、私はローレンス・ダレルの『アレクサンドリア・カルテット』を思い出した。そこで、第一部は、「私」という小説家の語り手によって書かれ、第二部は、その小説を「私」が反省してあらためて書きなおすというかたちをとっている。」
柄谷行人「同一性の円環−大江健三郎三島由紀夫」冒頭