フランス批評

正義と不正、モンテーニュ

「大きく正義を行おうとする者は、 細かく不正を働かねばならない。 大事において正義をなしとげようとする者は、 小事において不正を犯さなければならない。」ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 「エセー(随想録)」 エセー…

どうでもいいではないか!ヴァレリー

「どうでもいいではないか、 過去に一度しか 起こらなかったことについては」ポール・ヴァレリー

歴史は一つの不連続集合である。レヴィ=ストロース

「歴史は いくつもの歴史領域で 形成された 一つの不連続集合である。」クロード・レヴィ=ストロース 『野生の思考』

ジル・ドゥルーズ「哲学はけっして力をもたない。」

「哲学は 時代にたいする怒りから 切り離せないということはたしかだ。 しかし、 もう一方では哲学が 静謐の感をもたらす ということも、 やはり見落としてはならないのである。 哲学は力をもたない。 力をもつのは 宗教や国家、資本主義や科学や法、 そして…

ひとびとが自分を自由な個人であると思いこんでいた

「戦争のなかでメルロ=ポンティが見出だしたことは、 歴史の与える状況のまえでは、 われわれは「自由な個人」ではなくて、 「フランス人」であったり「労働者」であったり、 相互にそれぞれの資格でしか働きかけあわない、 もっと一般的な「ひと」であると…

「深刻ぶらない政治的態度」と「極端に冷やしたビール」

「フランスにも 並々ならぬグールド・ファンは 多いと見えて、 かつてロラン・バルトも 思いつくままに 自分が好きなものを 列挙するなかで 「深刻ぶらない政治的態度」と 「極端に冷やしたビール」の間に さりげなくグレン・グールドの名を 置いたことがあ…

……カフカについては、言うことはなにもない。

「カフカは模倣できない。 彼は永遠の誘惑となって、 地平線に残るだろう。 ……カフカについては、 現代の、 数少ない、 最大の作家の一人である と言うより他に、 言うことはなにもない。 ……彼の世界は幻想的であると同時に 厳密に真実である。」ジャン=ポ…

創造する天才、探す天才、書く天才、読む天才

「世の中には 創造する天才があるように、 探す天才もあり、 書く天才があるように、 読む天才もある。」ヴァレリー 「作家論」Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。【 概念・時間・言説―ヘーゲル“知の体系”改訂の試み (叢書・…

音楽の趣味ほどクラスを確定するものはありません

〜今日の本棚〜今日のつぶやき 【 プレミア29節vsバーンリー戦。やった!アルシャビン久々!ベントナーはまたやってくれちゃったみたいね。 】 「音楽の趣味ほど その人の「等級」を 確定してくれるものはありませんし、 これほど人を確実に 格付ける方法も…

この病はわれらと共に生まれるものである

「言葉の言い替えを 発見と思ったり、 比喩を 証明と勘違いしたり、 ふと吐き出した言葉をば さも肝心な 知識のほとばしりと考えたり、 さては自分みずからを 御神託と思い込んだりする業病、 この病は われらと共に 生まれるものである。」ポール・ヴァレリ…

この卵が見えるかね

「どうだい。この卵が見えるかい?この卵一つで神学のあらゆる学派と地上におけるすべての寺院を覆せるのだ。そもそも、この卵は何だろう?種が導入される前は感覚のない一塊の物質の塊だ。種が導入された後でも何だろう?やはり感覚のない一塊だ。なぜとい…

ラカン「無意識における言語活動の機能と領野」

「欲望が 人間化 される時点は、 子供が言語活動において 誕生する 時点でもある。」ジャック・ラカン 「無意識における言語活動の機能と領野」『エクリ』Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。【 概念・時間・言説―ヘーゲル“知…

食べるために?、働くために?

「食べるために働くのか、 働くために食べるのか……」シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』(渡辺義愛訳)Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。【 概念・時間・言説―ヘーゲル“知の体系”改訂の試み (叢書・ウニベルシタス) (単行本)…

クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』より

「人間があれば 言葉があり、 言葉があれば 社会がある。」クロード・レヴィ=ストロース 『悲しき熱帯』(川田訳)下巻p.317(仏原書p.421)Amazon最安値で出品中です。Amazon 古本 最安値 【 ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53) 】ふぃでりお 「Am…

身体に何ができるかということさえ、わかっていない

「スピノザが、 身体に何ができるかということさえ、われわれにはわかっていない、 と言うとき、 この言葉はほとんど鬨声に近い。 彼は続けて次のように言う。 われわれは意識、 精神、心、身体に対する 精神の能力について語る。 われわれはこれらについて …

デカルトは自分の分析への好みを肯定する。

「デカルト哲学は 明晰・判明な観念の ある種の充実を基礎としている。 この充実は デカルトの方法を基礎づけているが、 他方 それはこの方法そのものの 適用によって証明される。 デカルトは 自分の分析への好みを肯定する。 重要なテキストにおいて 彼は、…

誤解しないように、慎重に読んで戴きたい。

「戦争は、 すぐれて 聖の 本質的な性格を帯びている。 だからそれは、 客観的に考察されるのを 断わるかのようにみえる。 それは、 いわゆる批判的精神 といったものを 麻痺させてしまう。 戦争は恐ろしいものだが、 また印象的でもある。 人は これを呪う…

害悪が世界に存在するのは、

「害悪が 世界に存在するのは、 絶望を うむためではなく、 活動を うむためである。」マルサス(永井義雄訳) 『人口論』中公文庫 p.222 昭和四十八年

身体は幼児にとって、混沌とした現実なのです。

「鏡像の了解とは、 鏡の中に見えている姿を おのれの姿 と認めるところにあります。 幼児の世界に 鏡像が入り込んでくるまでは、 身体は幼児にとって、 強烈に感じられはしても 混沌とした 現実なのです。」モーリス・メルロ=ポンティ 「幼児の対人関係」 …

<見るもの>であると同時に、<見えるもの>

「最大のパラドックスは、 私の身体が <見るもの> であると同時に、 <見えるもの>だ、 ということである。」モーリス・メルロ=ポンティ『シーニュ』p.210---------------------------------- ♪いま聴いている曲はコレ♪【おすすめCD】 間テクスト性につ…

死ぬとき、計りしれぬ、喜び

「死ぬとき、 わたしは 計りしれぬ 喜び を知るだろう」エマニュエル・レヴィナス 『「白日の狂気」についての試論』若森栄樹訳 p.37-64---------------------------------- ♪いま聴いている曲はコレ♪【おすすめCD】 間テクスト性について知りたい方はコチラ…

彼は決して引用をやらない、

「彼は決して引用をやらない、 やってもアルキメデスやアリストテレスの 名を挙げるだけである。 のみならず例えば 明らかにアウグスティヌスやアンセルムスの真似 だと思われると、 自分がまだ読んだことのない先人と 偶然な思いもよらぬ一致を見出したと云…

苦悩に負けることは恥辱ではない。

「人間にとって、苦悩に負けることは恥辱ではない。むしろ快楽に負けることこそ恥辱である。」ブレーズ・パスカル今日の気分 【The Future Sound of London“Lifeforms”】違う曲聴きたかったんだが、iTunsつけたら目についた。再生198回。快楽に負けた。

われ退くなら殺したまえ

「われ進むなら従いたまえわれ退くなら殺したまえわれ死するなら仇を討ちたまえ」アンリ・ド・ラ・ロシュジャクラン1793年、フランス西部ヴァンデ地方ボービニェで教会に対する弾圧や国王の 処刑に反発した農民たちが決起。

すべて愚劣なものだ

「良書の要約というものはすべて愚劣なものだ。」ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ『エセー』そうか〜文化的価値はゼロっちゅうことね。しかしですね、フーコー先生に言わせるとそんな価値のないモンすらテクストってことだから、愚劣な要約でもドンドン…

見え-ないものは見えるものの秘められた裏面である

「意味は見えないものであるが、しかしこの見えないものは見えるものと相容れないものではない。見えるものそのものが見えない骨組をもっているのであり、見え-ないものは見えるものの秘められた裏面である……それは見えるものの線のなかにあり、見えるものの…

それを支え、それを見えるようにしている、見えないもの

「[水準あるいは次元は]他の対象の背後に隠れている対象のように事実上見えないものでもなければ、見えるものとは何のかかわりももたない絶対に見えないものでもなく、この世界に住みこみ、それを支え、それを見えるようにしているところの、この世界に属し…

したがわないほうが賢明かもしれぬ多くの実例も見られる

「この書物は、ただひとちの物語として、あるいはお望みなら、ひとつの寓話としてお目にかけるので、おそらくそこには、まねしてもさしつかえない若干のお手本にまじって、したがわないほうが賢明かもしれぬ多くの実例も見られるであろう。」ルネ・デカルト…

船の中にいる水夫のように[comme un pilote en son navire]

「船の中にいる水夫のように[comme un pilote en son navire](デカルト『方法序説』第五部・『省察』第六)。私はたった今、[バスから船へと]移送のエレメント[内部要素・外部環境]と移送手段[moyen:中項]を変えた。われわれは、船の中にいる水夫のように、…

ここで十分に理解していただきたいことがある。

「ここで十分に理解していただきたいことがある。それは、こうした別のテクストを出発点にしたあるひとつのテクストの読み、ひとつのテクストの他のテクストへの差し向け、それがこの場では歴史的な関係や文学的な影響を示そうとするものでは露ほどもないと…