2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

デ・クーニングは言う「過去は私に影響を与えない」

「…ニューヨークの画家 ウィレム・デ・クーニングが、 フィラデルフィアの芸術同盟で講演を行ない、 講演の後に、 質疑応答の討論がもたれた。 或る人が デ・クーニングに、 彼に最も影響を与えた 過去の画家は誰か、 と尋ねた。 デ・クーニングはこう言った…

レヴィ=ストロース「日本から学ぶもの」より引用

「ー日本は数世紀にわたって 二つの態度を、 バランスをもって使い分けてきました。 すなわち、 外からの影響に自らを開き、 すばやくとり入れること、 そして、 自らのうちにひきこもり、 時間をかけてそれを同化し、 固有の刻印を押すことです。 この二つ…

第三日本の見出ださるることを衷心から希望し

「−日本! この語は今日もなお、 その昔ながらの純潔の 光輝を放っているのだ。 病弊は未だ軽い。 正しき道の見出だされるのも さほど困難ではあるまい。第三日本 に到る道の 見出ださるることを 衷心から希望して 筆を措く。」ブルーノ・タウト 『日本文化…

岡倉天心「内からの声」『日本の覚醒』より

「王陽明の哲学は、 中国では 一時的な影響しか与えなかったようだが、 日本では 特別の魅力をもつものとして迎えられ、 後世の 王政復古実現の 一原動力となった」岡倉天心 「内からの声」『日本の覚醒』

検索ワードを観察してみる

今週1週間で検索されたキーワードで面白そうなものをあげてみました。10/15 常に静穏、快活、また多分にユーモアのセンス 10/16 オスカー・ワイルド 折口信夫 10/17 スッタニパータ 名言 10/18 どっどどどどうどどどうどどどう 10/19 ゴドーを待ちながら 台…

哲学に自分の救ひを求めた

「耶蘇教の神観に 満足が出来ないで、 之を放棄してから、 まだ 詩に安立して居たわけでは なかつたので、 哲学に 自分の救ひを求めた」岩野泡鳴 『神秘的半獣主義』

文学上の作品ではあるが、歴史文学とはいひかねよう

「(歴史小説には)古人の心事や 行動に新解釈を施さうとする 動機から出たものもあるが、 その新解釈がもし その時代の思想によってではなくして、 それとは違つた 現代人の思想に本づいて せられたならば、 それは歴史的変化を 無視したものであるから、 か…

諸外国はこの問題を日本全体との紛争と見なす

「二月四日(陰暦一月十一日)早朝から備前(岡山)藩兵が神戸を通過してゆくのを見たが、午後二時頃、ある家老の行列が一名のアメリカ水兵を射撃した。その水兵は、行列のすぐ前方を横切ろうとしたのである。この発砲につづいて、かれらは出逢った外国人をひと…

外国人を馬鹿にしてはならないという良い見せしめ

「昼食をとっていると、十三名のフランス兵の一隊がやってきた。かれらは群集から石を投げられたので発砲し、八名か九名の日本人を殺して来たところであった。外国人を馬鹿にしてはならないという良い見せしめであるが、同時に大坂は危険な場所だと外国人に…

一橋公には、意志の強さ、剛直さが欠けていた。

「一橋公には、日本民族を偉大なものにしている意志の強さ、剛直さが欠けていた。そして、好機到来の折に勝利を博することもできず、また、一門の最後の人として、家臣や全日本の目に自己を失った名誉の回復を図るべく舞台から去ることが彼に残された唯一の…

殆ど登城詰切りの有様にて是に至り終に西宮出馬

「四日朝八時漸く出発の告知あり、主公は上述の如く客蝋三十日の夜以来正月四日に至る迄殆ど登城詰切りの有様にて是に至り終に西宮出馬のことなり、晩六時出発の命下る、物頭兼普請奉行丹羽勘右衛門、物頭角田与左衛門、同御牧勘兵衛各銃卒一隊を引率し、瀧…

民衆や政府が歴史から学ぶことは一度たりとも

「経験と歴史が 教えてくれるのは、 民衆や政府が 歴史からなにかを学ぶ といったことは 一度たりともなく、 また歴史からひきだされた 教訓にしたがって 行動したことなど まったくない、 ということです。」へーゲル 『歴史哲学講義』

おもしろ検索キーワード

今週1週間で検索されたキーワードで面白そうなものをあげてみました。10/8 鞭声粛々 10/9 人生を始めてから徐々に芸術を始める 10/10 萬有の眞相 10/11 グロテスク装飾 10/12 恐れ 10/13 強い言葉を使うなよ 10/14 基寛 エリオットの新しさについてニッチな…

最近彼の書く作品はすべてこのことを実証している

「「僕の場合、 発想の基本は 芝居も小説も含めて、 やはり他人との関係 ということが ずっと主なテーマだ ……いろいろなバリエーションは あるけれど……」と 安部公房自身語っているが、 最近彼の書く作品は すべてこのことを 実証している。」V.ウィンケル…

あんたのさがしもとめておるものはわかっておる

「あんたの さがしもとめておるものが、 この世界のどこかにあるのは わかっておる。 だが、 ふつうの人間であるかぎり、 その九十九パーセントまでは、 書物のうちに見出すほかに 方法がない。」レイ・ブラッドベリ 『華氏451度』早川書房 ハヤカワ文庫 2008…

目的は読んでもらうこと。お金はそのあとです

「「読者が 何章か読む可能性があれば、 かならずあとで その本を買ってくれると 私は思いました」 コエーリョはインタビューで こう語っている。 「作者の究極の目的は 読んでもらうことです。 お金は そのあとです」」 クリス・アンダーソン 『フリー <無…

森鴎外『堺事件』冒頭書き出し

「明治元年戊辰の歳正月、 徳川慶喜の軍が伏見、鳥羽に敗れて、 大阪城をも守ることが出来ず、 海路を江戸へ遁れた跡で、 大阪城、兵庫、堺の諸役人は 職を棄てて潜み匿れ、 此等の都会は一時 無政府の状況に陥つた。」森鴎外 『堺事件』冒頭書き出し

快楽とは物事を特別な角度からながめることだ

「快楽とは 物事を特別な角度からながめることだ。 快楽とは、 次第に老いぼれていく、 用心深く、 口やかましく、 いつもびくびくしている肉体の束縛から ほんの少しのあいだ 解放されることだ。 たぶん、 おれは、 麻薬やマリハナやコカインのなかに 捜し…

初江はそっと自分の写真に手を三島『潮騒』むすび

「初江はそっと 自分の写真に手をふれて、 男に返した。 少女の目には矜りがうかんだ。 自分の写真が新治を守った と考えたのである。 しかしそのとき 若者は眉を聳やかした。 彼はあの冒険を切り抜けたのが 自分の力であることを 知っていた。」三島由紀夫 …

きわめて名誉欲が強くきわめてぬたみ深いもの

「きわめて 自卑的であり きわめて 謙遜であると見られる 人々は 大抵の場合 きわめて名誉欲が強く きわめてぬたみ深い ものである。」スピノザ 『エチカ』 ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。コトバを探す(例…

自らを言語にとって異質のものにするのでは?

「言語を労働ーποιεζνーに変えること、 社会にとっては 接触と理解の手段になっているものがもつ 物質性のなかで働くこと、 こうしたことは、 それだけで自らを言語にとって 異質のものにする のではなかろうか。」ジュリア・クリステヴァ 『記号の解体学[セ…

僕は法則を探している。ロートレアモン

「現象は束の間だ。 僕は法則を探している。」 ロートレアモンジュリア・クリステヴァ 『記号の解体学[セメイオチケ]〓』 4パラグラムの記号学のために カリカチュアとしての公理化でせりか書房 1983 p.146

かたましく媚ぶる者は、by聖徳太子

「かたましく 媚ぶる者は、 上に対ひては 則ち好みて 下の過を説き、 下に逢ひては 則ち上の失を 誹謗る」聖徳太子 「十七条憲法」

成熟をするとは、一体どういうことか。

「成熟をするとは、一体どういうことか。 成熟するというのは、さまざまな経験を積んでいくことだ、と一先ずしておこう。 では、経験とはなんだろうか。 ドイツの哲学者へーゲルは、 経験を「自分の真実を失うこと」だと書いている。 自分の真実を失う、 つ…

詩的言語は、「二重」になっているのである

「詩的言語は、 テクスト内部の空間においても、 もろもろのテクストからなる空間においても、 「二重」になっているのである。 ソシュールのいう詩のパラグラム(「アナグラム」)は、 0から2へと拡がっている。 すなわちこのパラグラムの領野には 「1」(定義…