2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

風は 大きく 世界を抱き緊めた ヴェルハーラン

「その荒い力 または深い優しさを以て 風は 大きく 世界を抱き緊めた。」 エミール・ヴェルハーラン『多様な壮麗』

土佐の士卒は初からフランス 人に対して悪感情を懐いていた

「…先ず射撃したので、これに応戦したのではあるが、土佐の士卒は初からフランス人に対して悪感情を懐《いだ》いていた。それは土佐人が松山藩を討つために錦旗を賜わって、それを本国へ護送する途中、神戸でフランス人がその一行を遮《さえぎ》り留め、朝廷…

ベンジャミン・フランクリンの教訓

「仕事を追え、仕事に追われるな」 ベンジャミン・フランクリン

軍艦の襲撃がある かも知れぬから、

「とにかくこうなった上は是非がない。軍艦の襲撃があるかも知れぬから、防戦の準備をせいと云った。」 森鴎外『境事件』7段落目

Os Mutantes

「今まで聴いた音楽は、全部自分たちたちの曲で使ったよ」 Os Mutantes,Os Mutantes968 Rita Lee 1972

かの水兵の脳天に打ち卸された

「この梅吉が隊の士卒を駆け抜けて、隊旗を奪って行く水兵に追い縋《すが》った。手に持った鳶口は風を切ってかの水兵の脳天に打ち卸《おろ》された。水兵は一声叫んで仰向に倒れた。梅吉は隊旗を取り返した。」 森鴎外『境事件』4段落目

人が人を、何よりも自分を眺めるという事自体に由来

「モーバッサンやリラダンらが、短編小説につきものの残酷さを、人が人を、人間が生きているという事自体に由来していると考えたとすれば、色川(武大)はその惨めさを、人が人を、何よりも自分を眺めるという事自体に由来すると考えた。」 福田和也『南部の慰…

文学者もまた、歴史を語るべきではないか、

「文学者もまた、歴史を語るべきではないか、と。それは、やはり何といっても、歴史が「物語」であるからです。」 福田和也『日本の近代(上)』新潮新書 2008 p.18

そしてその當り前の事が嬉しいのである。

「日の明るく照つてゐる處に立つてゐれば、影が地に落ちる。地に影を落す爲めに立つてゐるのではない。立つてゐれば影が差すのが當り前である。そしてその當り前の事が嬉しいのである。」 森鴎外『木精』6段落目

門を敲くものがある。

「天保八年丁酉の暁方七つ時に、大阪西町奉行所の門を敲くものがある。」 森鴎外『大鹽平八郎』1段落目

ロダンが白髪頭をのぞけた。

「其時戸をこつゝ叩く音がして、戸を開いた。ロダンが白髪頭をのぞけた。」 森鴎外『花子』最後から5段落目

メアリー・シェリー『最後の人』1826

「濁った海の北方遥かに位置する英国が、今や乗組員の多い巨船の姿を採って、夜ごとの我が夢を訪れ、風を支配して誇らかに波を切って進んできた」 メアリー・シェリー『最後の人』1826

手真似で帰れと云っても、一人も聴かない。

「両隊長は諭《さと》して舟へ返そうと思ったが通弁がいない。手真似で帰れと云っても、一人も聴かない。そこで隊長が陣所へ引き立ていと命じた。兵卒が手近にいた水兵を捉えて縄を掛けようとした。水兵は波止場をさして逃げ出した。中の一人が、町家の戸口…

持っていないなら、通すには及ばない。

「フランスの兵が若《も》し官許を得て通るのなら、前以て外国事務係前宇和島藩主伊達伊予守宗城《だていよのかみむねき》から通知がある筈であるに、それが無い。よしや通知が間に合わぬにしても、内地を旅行するには免状を持っていなくてはならない。持っ…

堺の町人は、外国人に慣れぬので、驚き懼れて

「しかし神社仏閣《ぶっかく》に不遠慮に立ち入る。人家に上がり込む。女子を捉《とら》えて揶揄《からか》う。開港場でない堺の町人は、外国人に慣れぬので、驚き懼《おそ》れて逃げ迷い、戸を閉じて家に籠るものが多い。」森鴎外『境事件』3段落目

フランスの兵は大阪へ引き返した。

「そこへフランスの兵が来掛かった。その連れて来た通弁に免状の有無を問わせると、持っていない。フランスの兵は小人数なので、土佐の兵に往手《ゆくて》を遮《さえぎ》られて、大阪へ引き返した。」森鴎外『境事件』2段落目

都会は一時無政府の状況に陥った。

「明治元年戊辰《ぼしん》の歳《とし》正月、徳川慶喜《よしのぶ》の軍が伏見、鳥羽に敗れて、大阪城をも守ることが出来ず、海路を江戸へ遁《のが》れた跡で、大阪、兵庫、堺の諸役人は職を棄てて潜《ひそ》み匿《かく》れ、これ等の都会は一時無政府の状況…

聞えるものは谷川の音ばかりである。

「又前に待つた程の時間が立つ。聞えるものは谷川の音ばかりである。」 森鴎外『木精』23段落目

兩側に戸口があつて、窓は只一つある。

「久保田の這入つた、小さい一間は、相對してゐる兩側に戸口があつて、窓は只一つある。その窓の前に粧飾のない卓が一つ置いてある。窓に向き合つた壁と、其兩翼になつてゐる處とに本箱がある。」 森鴎外『花子』37段落目

村の家にちらほら燈火が附き初めた。

「闇が次第に低い處から高い處へ昇つて行つて、山々の嶺は最後の光を見せて、とうゝ闇に包まれてしまつた。村の家にちらほら燈火が附き初めた。」 森鴎外『木精』最後の段落

Auguste Rodinは爲事場へ出て来た。

「Auguste Rodinは爲事場へ出て来た。 廣い間一ぱいに朝日が差し込んでゐる。」 森鴎外『花子』1段落目

福田和也「放哉の道、虚子の道と道」

「橋畔旗亭岩も掃く日の落葉哉 碧 こう本に置かれた字は、一向に安全ではない。 橋の「木」の部分は両側のハライが奇形的に短く、縦線は肥大しつつ若干屈曲し、横線はハライの上に両生類の眼球のように突き出ている。「喬」の部分は、地滑りのように偏から脱…

機嫌を伺ふやうに云ふのである

「「通譯をする人が一しよに来てゐますが。」機嫌を伺ふやうに云ふのである。」 森鴎外『花子』14段落目

テクスト礼讃【アメブロにて只今小説執筆中】

アメーバブログにて、小説始めました。ただし、そこいらの小説ではないので、完成するまで意味が分かりませんよ。テクスト礼讃【アメブロにて只今小説執筆中】http://ameblo.jp/ilya/

此目は昔度々見たことのある目である。

「此目は昔度々見たことのある目である。併しその縁にある、指の幅程な紫掛かつた濃い暈は、昔無かつたのである。」 森鴎外『普請中』19段落目 M43.6

まだ普請中だ。

「普請中なのだ。さつき迄恐ろしい音をさせてゐたのだ。」 「…日本はまだそんなに進んでゐないからなあ。日本はまだ普請中だ。」 森鴎外『普請中』22段落目

あだなる美観に心をば動かさじの誓ありて

「されど我胸には縱ひいかなる境に遊びても、あだなる美観に心をば動かさじの誓ありて、つねに我を襲ふ外物を遮り留めたりき。」 森鴎外『舞姫』6段落 明治23年1月

文讀むごとに、物見るごとに、

「…文讀むごとに、物見るごとに、鏡に映る影、聲に(応)ずる響の如く、限なき懐舊の情を喚び起して、幾度となく我心を苦む。」 森鴎外『舞姫』4段落 明治23年1月

答へんとすれど聲出でず、その儘に地に倒れぬ。

「余は答へんとすれど聲出でず、膝の頻りに戰かれて立つに堪へねば、椅子を握まんとせしまでは覺えしが、その儘に地に倒れぬ。」 森鴎外『舞姫』終盤 明治23年1月

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