2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

それでいい……それだけでいいのだ

「探偵小説が文芸であるかドウカは責任を負う限りでない。或(あるい)は香水の化学方程式みたようなものかも知れぬ。又は美人のレントゲン写真に類する者かも知れぬ。 だから題材の選択は無限の自由さを持っている筈である。だからその選択者の個性が、極端…

探偵小説は芸術であってはならない

「探偵小説は芸術であってはならない。 エロ、グロ、ノンセンス、ユウモア等の謎々以外の風味を含ませるのは探偵小説の邪道、堕落道である。冒険、神秘、怪奇、変態心理、等々々の名を冠らせ得る小説は、探偵小説界の外道、寄生虫でしか在り得ない。そんなも…

対象との距離が相手をものとして見る視線

「観察すること相手を対象化してこれを「読む」行為には、まず対象との距離が相手をものとして見る視線が大前提であるということだ。世界から疎外されていればいるだけ、従って世界を細密に読むことができる」 『心変わり』 M.ビュトール/清水 徹:訳 ( 岩…

風景もまた空間に刻みこまれたテクスト

「風景もまた空間に刻みこまれたテクストである。それは人間の実践の痕跡によって編まれ、人間の実践を包囲する、巨大な一冊の書物である」 『心変わり』 M.ビュトール/清水 徹:訳 ( 岩波文庫 )

かつての吉備勢力の伝統

「吉備国も古代史の中、多くの消長をたどりながら、一時は河内王朝と対抗するばかりの勢力を持ち、その後、畿内政権の支配が強まる中でも、かつての吉備勢力の伝統を、長く律令国家成立時まで残している地域も、広い吉備地方には、存在しているのである。 吉…

吉備王国の夢は消え

「吉備国は、歴史の早い時期に、大和の王によって二度も征討を受け、吉備王国の夢は消えて行った。しかもそれだけではない。五世紀末の雄略朝のとき、吉備の国造が謀反した。 その結果、吉備一族は、想像を絶するほどの手痛い傷をうけた。」 鳥越憲三郎「吉…

造山古墳と作山古墳

「造山古墳と作山古墳、これはいつからこの名があるのか知らないが、巨大な土木建築の構築物を巧みに表現している。 造山古墳は、日本で四番目の前方後円墳で大和のどの古墳よりも雄大であるが、四番目というのは、考古学上、古墳時代とよぶ約四百年を通じて…

たしかに、吉備にはあった

「私自身も、「日本の中の朝鮮文化」を書く必要上、岡山、吉備を訪ねたのであり、それまでは、吉備などというところは、知りませんでした。 訪ねてみて驚いたことは、「吉備王朝」といわれるようなものが、たしかに、吉備にはあったということです。 たとえ…

出雲には吉備地方が含まれていた

「「書紀」にスサノオがヤマタノオロチを韓鋤の刀で斬ったとあり、この刀は「今、吉備の神部の許にあり。出雲の簸の川上の山是なり」とある。 その「出雲簸の川上の山」にあたる吉備の神部とは、赤磐郡吉井町(現赤磐市)の石上布都之魂神社で、・・・・・・、…

「吉備」という語感

「「吉備」という語感がたまらなく好きである。上古岡山県は吉備国といった。のち備前、備中、備後(備後のみは明治後広島県に編入)それに美作をくわえて四カ国にわかれたが、吉備といわれていたむかしは、出雲が大和朝廷に対する隠然たる一敵国であったよ…

ヲヰメアルヘカラス

「正長元年ヨリ サキ者カンヘ四カン カウニヲヰメアル ヘカラス」 土民の一斉蜂起「正長の土一揆」後 正長の徳政碑文に刻まれた文

練習曲

ショパン 練習曲

前奏曲 24

スクリャービンが16歳のときに着手。 24歳のときに完成した前奏曲集。異なる調性で24曲のプレリュードを書いた。J.S.バッハから始まり、バッハを敬愛していたショパンも挑んだ構成だが、スクリャービンも、この系譜に連なる。「バッハ―ショパン―スクリャービ…

ひからびた胎児

「干からびた胎児」まずは、題名にのみ惹かれる。「甲殻類の胎児」は、ショパンのソナタの「葬送行進曲」のパロディになっている。

Lifeforms動画

ロバート・フラッド

カオス 自然の基本要素としてのカオス ロバート・フラッド『両宇宙誌』オッペンハイム 1619

愛してその人を失うことは

「愛してその人を得ることは最上である 愛してその人を失うことはその次によい」 ウィリアム・サッカレー荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第一部 第4巻 p.162ツェペリがジョナサンに未来を託し死んでいく場面に引用された。

パッシイァ  一番こわいのはこの痛みなの?

「なぜ いつもだまっててやりかえさないのよ………? あ…あしたやって…やらあ! あしたっていつのあしたよ? あ あしたさ……… ポコ……あんたの一番こわいことってなあに? パッシイァ 一番こわいのはこの痛みなの? 痛いってこわい? あんた いつまでも… 大人にな…

八雲立つ

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに八重垣作る その八重垣を」 『古事記』

臍の下まで切り裂いて、満足と勇気をおぼえた

「中尉は右手でそのまま引き廻そうとしたが、刃先は腸にからまり、ともすると刀は柔らかい弾力で押し出されて来て、両手で刃を腹の奥深く押さえつけながら、引き廻して行かねばならぬのを知った。引き廻した。思ったほど切れない。中尉は右手に全身の力をこ…

人間讃歌は「勇気」の讃歌

「「勇気」とは「怖さ」を知ることッ! 「恐怖」を我が物とすることじゃあッ! 呼吸をみだすのは「恐怖」! だが「恐怖」を支配した時! 呼吸は規則正しくみだれないッ! 波紋法の呼吸は「勇気」の産物!! 人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!! 人間のすばらしさは勇気の…

勝てんよォ―

「わたしはツェペリ男爵だ 勇気だけでは「石仮面」の力には勝てんよォ―」 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第一部 第3巻p.25

ちぐしょう―ッ

「ちぐしょう―ッ あの太陽が最後に見るものだなんていやだ―ッ!」 ディオが吸血鬼化した老人に絞め殺されそうになったときに発した言葉 『ジョジョの奇妙な冒険』第一部第二巻 p.44

酒!

「酒! 飲まずにはいられないッ! あのクズのような父親と同じことをしている自分に荒れているッ! クソッ!」 『ジョジョの奇妙な冒険』 第一部第二巻 p.21

ソシュールはいってはいないんだ

「ソシュールは人々が信じこんだようにそれ程確実なことをいってはいないんだ」 レイモンド・タリス『反ソシュール-ポスト・ソシュール的文学理論批判』1988 Not Saussure not so sure

「人間」と「人間以外のもの」との闘い

「はっきり言うと、この作品のテーマはありふれたテーマ―「生きること」です。対照的なふたりの主人公を通して、ふたつの生き方を見つめたいと思います。「人間」と「人間以外のもの」との闘いを通して、人間讃歌をうたっていきたいと思います。」 ジョジョ…

一人は泥を見た。一人は星を見た

「二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ。 一人は泥を見た。一人は星を見た。」 フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』ジョジョの奇妙な冒険 第1巻 冒頭に引用

赤ん坊の目

「ものを見ることに関して、人間が作り出した規制に支配されていない目を考えてもらいたい。構成上の論理による偏見をもたない目。ものの名に反応せず、この世で出会った一つ一つのものを、知覚の働きによって記憶せずにはいない目を。緑を意識しないで這っ…

胸の拳銃をひきぬいて、発射

「怪物は顔に笑みを浮かべ、嘲笑うように、むごたらしい指でわたしの妻の亡骸をさしてみせました。わたしは窓に駆けより、胸の拳銃をひきぬいて、発射しました。が、敵は身をかわしてその場から跳びのくと、稲妻のようなすばやさで走りさり、湖に飛びこんで…

娘を奪われなければならない

クリュタイメストラ 「当事者であるメネラオスが、娘ヘルミオネを犠牲に殺せばよい。不義をした女(メネラオスの妻、ヘレネ)が、娘を連れてスパルタに戻ってきて、幸せに暮らすというのか。他方、あなたに操を立ててきた私は、娘を奪われなければならないの…