2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

作家の文章は他人の内部に他人の主体となって入りこむ

「作家の文章は、他人の内部に、他人の主体となって入りこむことが必要だという点で、おそらくそれ以外の人の文章と区別されるだろう。だから作家の文章は、進歩するのに手間がかかる。言葉に対する科学的な研究をされている方々も、どうか作家の進歩のおそ…

この国で生き、かつ死んでいくという積み重ね

「靖国神社公式参拝問題のように、 国がどのように戦没者に対する態度を決定するかというがごとき問題の場合には、 主として議論の対象にしなければならないConstitutionとは、 文化・伝統・習俗の一切を包含した国の在り方そのものであって、 日本人がいか…

昔子供であった者が今は忘れてしまった何ものか

「偉大さとは、 昔子供であった大部分の者が 今は忘れてしまった何ものかを、 なお保存し、 そして、それを 引き続き確証しようとしていることの別名」エリック・H・エリクソン

私はあらゆる暴力的な革命を憎む。ゲーテ

「私はあらゆる暴力的な革命を憎むのだ。 そのさい良いものが得られるとしても、 それと同じくらい良いものが破壊されてしまうからだよ。」ゲーテ

本当につかめないよ、母さん。『セールスマンの死』

「ぼくは本当につかめないよ、母さん。 ぼくは 幾通りもの人生って奴を しっかりとつかめないんだ。」アーサー・ミラー 『セールスマンの死』

自己をならふといふは、自己をわするゝなり。

「仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするゝなり。自己をわするゝといふは、万法に証せらるゝなり。万法に証せらるゝといふは、自己の身心および他己の身心をして脱落せしむるなり。」道元 「現成公案」『正法眼蔵』

私たちの行為は、すべて断片で終わる。福田恒存

「私たちの社会生活が複雑になればなるほど、 私たちは自分で自分の役を選びとることができない。また、それを最後まで演じきって、 去って行くこともできない。 私たちの行為は、すべて断片で終わる」福田恒存 『人間・この劇的なるもの』

運転中運転手にみだりに話し掛けないでください

「運転中運転手にみだりに話し掛けないでください。」岡山電気軌道 単なる注意書きにしては、ちょっと語気強め。過去になんかあったのか?

ボードレールの世に残るのは、その形式の完成に因る

「ボードレールの世に残って居るのは、 その形式の完成に因るのである。 芸術家が世に残るには 此以外の理由があろうか。」アンドレ・ジイドボードレールに関するファゲの説を駁した論文で。

エドガー・アラン・ポー「夢のまた夢」

「われわれに見えるもの、 見えていると思うもの、 すべてみな、 夢のまた夢に すぎないのでしょうか。」エドガー・アラン・ポー 「夢のまた夢」

熱狂者の興奮は、「燃える氷」である。フロム

「熱狂者はうつろであり、死んでおり、抑圧されているが、抑圧と内面的死の状態を補うために、彼は、国家であれ、政党であれ、観念であれ、教会であれ、あるいは神であれ、一つの偶像を選ぶ。彼はこの偶像を絶対的なものにして、絶対的な仕方でそれに服従す…

必ずみがくべし、すべからく練るべし。道元

「玉は琢磨によりて器となる、 人は練磨により仁となる、何の玉かはじめより光有る、 誰か初心より利なる。 必ずみがくべし、 すべからく練るべし。 自ら卑下して学道をゆるくする事なかれ。」道元 『正法眼蔵随聞記』

わが読者たちよ、どんなこだわりも捨て去りたまえ。

「この書を読まれるわが読者たちよ、 どんなこだわりも捨て去りたまえ。 (略) 涙よりも笑いについて書く方が 遥かにましなのも、 笑いは人間の本性だからです。」フランソワ・ラブレー 『ガルガンチュア物語』《読者へ》(アリストテレス「生物のうち人間だけ…

故に私はニーチェを讃美する。解脱に達した人として。

「彼(ニーチェ)は殉教者を以て否認する。 ―其の著作十二巻に亙って唯々一の論戦あるのみである。 試みに此を開けば、何処を読むも頁毎に皆同様である。 感激だけが新たになり、病気が此を授ける。 少しも平静がない。 彼は絶えず憤怒と熱情とを漲らせる。 プ…

『新約聖書ールカ伝第十三章二十四節』

「力を尽くして 狭き門より 入れ」『新約聖書ールカ伝第十三章二十四節』アンドレ・ジイド(山内義雄訳)『狭き門』

ロンドンの暴徒に言ってやりたい吉田先生の言葉

「文明の状態は 我々が 人を人と思ふこと に尽きる」吉田健一 『ヨオロツパの世紀末』

シェークスピアの作品には寛ぎが際限なくあって

「シェークスピアの作品には その寛ぎが際限なくあって、 我々はまずそれを感じることから 作品の世界に引き入れられる 仕組みになっているとさえ言える。」吉田健一 『読者の立場から見た今日の日本文学』日本文化研究4 新潮社 p.43

吉田健一『読者の立場から見た今日の日本文学』

「例えば「煤煙」のようなものは その文章から言っても、 文学作品であることを疑わせるのであって、 それが一時的にも愛読されるか、 或は多勢の人間に読まれたことは、 ひとつの社会をなしている読者の要求が、 それがどんなに奇怪なものであっても、 如何…

玄徳は一人の血も流さず請われて一国の太守となり

「玄徳は今 この徐州の太守を継ぐ 決心をした 考えてみれば 曹操と呂布が 何千何万の兵の血を流しながら 領土を奪い合っている時 玄徳は一人の血も流さず 請われて一国の太守となっていったのである」5 p.24

→……うん、やるやる。当然。3倍返し。

「童話『ハーメルンの笛吹き男』 ネズミ退治の報酬を くれなかった腹いせに、 子供たちを隠します。 彼がB型だったら。。 →……うん、やるやる。 当然。 3倍返し。」Jamais Jamais『B型自分の説明書』文芸社 2007 p.110

「バーント・ノートン」は

『四つの四重奏』 E.R.クルティウスはリルケ『ドゥイノの悲歌』と並ぶ20世紀瞑想詩の最高傑作といった。『ヨーロッパ文学批評』1954 「バーント・ノートン」 きみはエミリー・ヘイル、わたしたちはエリオットとヘイル。イギリスでウ゛ィウ゛ィアンと結婚後も…

青春とは人生の或る時期ではなく心の様相を言う

「青春とは 人生の或る時期を言うのではなく 心の様相を言うのだ。 逞しき意志、 優れた創造力、 炎ゆる情熱、 怯懦を却ける勇猛心、 安易を振り捨てる冒険心、 こう言う様相を青春と言うのだ。 年を重ねただけで人は老いない。 理想を失う時に初めて老いが…

どうでもいいではないか!ヴァレリー

「どうでもいいではないか、 過去に一度しか 起こらなかったことについては」ポール・ヴァレリー

夢には実際に“意味”がある。

「夢には 実際に "意味" がある。 そして夢判断の 学問的方法というものは 可能なのだ。」ジークムント・フロイト 『夢判断』

人間は、誇りをもって生きることができないとき

「人間は、 もはや 誇りをもって生きることが できないときには、 誇らしげに 死ぬべきである。」フリードリヒ・ニーチェ 『偶像の黄昏』

歴史は一つの不連続集合である。レヴィ=ストロース

「歴史は いくつもの歴史領域で 形成された 一つの不連続集合である。」クロード・レヴィ=ストロース 『野生の思考』

あんたは喋る、喋る、

「あんたは喋る、喋る、 それだけがあんたにできることさ。」レイモン・クノー 『地下鉄のザジ』1959

プラトンが言葉を書いたときが、冊子体の本ができた頃

「プラトンが言葉を文字に書いたときが、 冊子体の本ができかかった頃です。 そしてジャック・デリダがそのプラトンを 音声中心主義者として批判するのが、 電子メディアが登場し、 「本」が書物の突端の位置を揺るがせられる、 ここ数十年のことなのです。…

金子みすず 『わたしと小鳥とすずと』

「 わたしが両手をひろげても、 お空はちっともとべないが、 とべる小鳥はわたしのように、 地面(じべた)をはやくは走れない。わたしがからだをゆすっても、 きれいな音はでないけど、 あの鳴るすずはわたしのように たくさんのうたは知らないよ。すずと、…

ド・マンがその一節で言ったことは馬鹿げている

「…われわれプラグマティストは、 ド・マンがその一節で言ったことは 馬鹿げていると言いたい。 言語に関する ソシュール的ー ヴィトゲンシュタイン的ー デリダ的理解をもつことが、 政治について有益に明晰に考えるためには必要である、 というのは要するに…