ある蘇生術をほどこさねばならぬものは、すでに死滅したものである

「古典を現代のものとするためには、ある蘇生術をほどこさねばならぬといふやうな考え方は間違いである。又ある蘇生術をほどこさねばならぬものは、すでに死滅したものである。さうして死滅したものは古典でない。再評価とは忘れられている形を人々の注意にまでよびさますことである。」

保田與重郎
「古典精神と現代精神」
保田與重郎全集第四巻』p.401