2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

山崎将志『残念な人の仕事の習慣』より

「ビジネスの世界では、 3パーセントや5パーセント削減は難しいが、 30パーセントのコスト削減は 意外に簡単だ と言われている。」山崎将志 『残念な人の仕事の習慣』アスコムBOOKS 2010 p.211 ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書…

エイハブ船長の姿を思い出さないでおれましょうか。

「九月十一日の事件以来、 アメリカ人が安全への不安を募らせるは 無理からぬことですが、 「悪」の所在が そんなに簡単に突き止められるわけはなく、 大西洋世界の外からばかり 生じるわけでもありません。 メルヴィルの偉大なアメリカ小説 『白鯨』のなか…

ジル・ドゥルーズ「哲学はけっして力をもたない。」

「哲学は 時代にたいする怒りから 切り離せないということはたしかだ。 しかし、 もう一方では哲学が 静謐の感をもたらす ということも、 やはり見落としてはならないのである。 哲学は力をもたない。 力をもつのは 宗教や国家、資本主義や科学や法、 そして…

さあと天の河が島村のなかへ流れ落ちるようであった

「「どいて。どいてちょうだい」 駒子の叫びが島村に聞えた。 「この子、気がちがうわ。気がちがうわ」 そう言う声がもの狂わしい駒子に島村は近づこうとして、 葉子を駒子から抱き取ろうとする男たちに押されてよろめいた。 踏みこたえて目を上げたとたん、…

八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた

「彼は昆虫どもの悶死するありさまを、 つぶさに観察していた。 秋が冷えるにつれて、彼の部屋の畳の上で死んでゆく虫も日ごとにあったのだ。 翼の堅い虫はひっくりかえると、もう起き直れなかった。 蜂は少し歩いて転び、また歩いて倒れた。 季節の移るよう…

「ぎゃあっ、ぎゃあっ、ぎゃあっ」と鳴声が庭でした

「「ぎゃあっ、ぎゃあっ、ぎゃあっ」 と聞こえる鳴声が庭でした。 左手の桜の幹の蝉である。 蝉がこんな不気味な声を出すかと疑ったが、 蝉なのだ。 蝉も悪夢に怯えることがあるのだろうか。 蝉が飛びこんで来て、 蚊帳の裾にとまった。 信吾はその蝉をつか…

地上に道はない。歩く人が多くなればそれが道になる

「思うに希望とは、 もともとあるものとも言えぬし、 ないものとも言えない。 それは地上の道のようなものである。 もともと地上には道はない。 歩く人が多くなれば、 それが道になるのだ。」『故郷』 魯迅 ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【…

私も読んでいて眼に清水の沁み込むのを覚えた。

大菩薩峠について「私があの中で一番好きなのは竜之介の殺人剣を表面へ現わさずに、 雰囲気を以って出しているところ、たとえば甲府の辻斬のくだりで、 霧の深い夜に米友が出会う場面、塩尻峠の三人の武士との立ち廻りで、 その立ち廻りを描かずに峠の茶屋へ…

特攻隊は、いかなる美名におおわれているとはいえ、強いられた死であった。

「人はあえていうであろう。 特攻隊は、 いかなる美名におおわれているとはいえ、 強いられた死であった。 そして学業半ばに青年たちが、 国家権力に強いられて無理やりに死へ追いたてられ、 志願とはいいながら、 ほとんど強制と同様な方法で。 確実な死の…

一人一燈なれば、萬人萬燈です。日本はたちまち明るくなりましょう。

「暗黒を嘆くより、 一燈を付けましょう。 我々はまず 我々の周囲の暗を照す 一燈になりましょう。 手のとどく限り、 至る所に燈明を供えましょう。 一人一燈なれば、 萬人萬燈です。 日本はたちまち明るくなりましょう。」安岡正篤 『安岡正篤一日一言』到…

私が的を射るのか、それとも的が私を射るのか。

「私が的を射るのか、 それとも的が私を射るのか。 このことは肉体の眼で見れば不思議だが、 精神の眼で見れば不思議でも何でもない。 では、 どちらでもあり・どちらでもないとすれば、 どうなるのか。 弓と矢と的とおのれのすべてが融けあうと、 もはやこ…

葉子 悲しいほど美しい声であった

「…葉子は 雪の上を目捜しして、 「駅長さん、 弟をよく見てやって、 お願いです」 悲しいほど美しい声であった。 高い響きのまま 夜の雪から木魂して来そうだった。」川端康成 『雪国』美しい女性の描写 ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふ…

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

「国境の長いトンネルを抜けると 雪国であった。 夜の底が白くなった。 信号所に汽車が止った。」川端康成 『雪国』冒頭書き出し ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。コトバを探す(例えば、「愛」「恋」「人間」…

正義とは行動を評価するために使用することばである

「正義とは、 行動がなされたあとで、 それを評価するために 使用することばである。 われわれにとって重要なのは、 正義よりも出来事であり、 出来事のなかで 生きることである。 それは、 出来事のなかで、 原因の立場に身を置くことだ。」船木亨 『メルロ…

蝶はもつれ合いながら、やがて国境の山より高く、

「ほどよく疲れたところで、 くるっと振り向きざま浴衣の尻からげして、 一散に駆け下りて来ると、 足もとから黄蝶が二羽飛び立った。 蝶はもつれ合いながら、 やがて国境の山より高く、 黄色が白くなってゆくにつれて、 遥かだった。」川端康成 『雪国』い…

ひとびとが自分を自由な個人であると思いこんでいた

「戦争のなかでメルロ=ポンティが見出だしたことは、 歴史の与える状況のまえでは、 われわれは「自由な個人」ではなくて、 「フランス人」であったり「労働者」であったり、 相互にそれぞれの資格でしか働きかけあわない、 もっと一般的な「ひと」であると…

哲学者に学ぶべきものは、答ではなくて問である。

「哲学者に学ぶべきものは、答ではなくて問である。答えることよりも問うことのほうが、何十倍も難しい。それで、ほかのひとの問を盗もうとするひとまでいる。答を盗めばヒョウ窃といわれるが、問を盗んでもなにもいわれない。しかし、問を盗むことなど、本…

その人が掻きやすい場合を掻いてくれるようなもの

「――教科書には、驚くべきことに、重要度の高い順というよりは、話が分かりやすい順で載せられる傾向がある。ちょうど、だれかに背中を掻いてほしい場合に、痒い場所よりも、その人が掻きやすい場合を掻いてくれるようなものだ。」 船木亨 『メルロ=ポンテ…

確かに「人生の教え」たらんとする思想が多かった。

「西欧哲学にも倫理学があるが、それは世界的に見ればひとつの倫理学にすぎない(とわたしは考えている) 。日本の伝統的思想はもとより倫理学であって、確かに「人生の教え」たらんとする思想が多かった。だが、それもひとつの倫理学にすぎない。」船木亨 『…

"Amid Shortages, a Surplus of Hope" By RYU MURAKAMI

「全てを失った日本が得たものは、 希望だ。 大地震と津波は、 私たちの仲間と資源を根こそぎ 奪っていった。 だが、 富に心を奪われていた我々のなかに 希望の種を植え付けた。 だから私は信じていく。」村上龍 「危機的状況の中の希望」NYTimesへの寄稿Tim…

思想や信仰もなしに英雄足らんとするのはむずかしい。

「文学者は、英雄たらんがためには、 思想か信仰を持たねばならない。 そうすれば、 小林多喜二のように殺される可能性も出てくる。 思想や信仰もなしに、 英雄足らんとするのはむずかしい。 ……私には文学者イコール弱虫の卑怯者という考えは、 やはりどうし…

今の評論家は思想に就いてばかり折口信夫

「世界各国の文学が違つてゐるのは、 実際明らかに姿や様式が違つてゐるのだ。 内容や思想に重きを置いてゐては、本道は訣らない。 今の評論家は、思想に就いてばかり言つて、 その内容自身と、形式との兼ね合ひといふことを少しも顧みない。 其では表現を無…

日本の革命も、孤立した事例ではない。

「明治維新は一八六八年ですが、 これは、一八六五年のアメリカ南北戦争における国家統一、 一八七一年の普仏戦争におけるプロイセン国家の勝利、 その他七○年代のイタリア国家統一などと並行している。 一八七○年前後は世界史的な転換期です。 フランスもこ…

わたしの一番いやだと思うのはボクという言葉柳田

「たぶんまたか とおっしゃるだろうと 思いますけれども、 わたしの一番 いやだと思いますのは ボク という言葉なんです。」柳田國男 「言語生活」六十七号 ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。コトバを探す(例…

面白い仕事は、つまらない仕事の積み重ね

「面白いことは そこら中に転がっている。 キーワードは、 ゲーム化、日常へのフィードバック、 勉強との接点、 自分のポジションの構築である。 繰り返すが 多くの人が気付いていないのは、 面白い仕事は、 つまらない仕事の積み重ねで 成り立っている とい…

道徳をその前提とするカント

「あらゆる宗教は 道徳を その前提とする。」イマニュエル・カント 「倫理学講義」

ミシェル・プラティニは自分にできることをやれた選手

「サッカーの歴史に残る有名選手を見ればそれが納得できる。その意味でジャン=クロード・スオドーは、近年の最高のプレーヤーの一人ミシェル・プラティニに注目する。「よく覚えてるよ……。たしかに動きも素晴らしかったけど、あまりみんな気がつかなかった…

ナショナリズムの起源は、そんなに古いものじゃない

「…ナショナリズムの起源は、 そんなに古いものじゃない。 ただ、 それは古い過去を 必要とするだけです。」柄谷行人の発言 「明治批評の諸問題 1868-1910」p.43 『近代日本の批評?明治・大正篇』1998 講談社文芸文庫

心の傷の深浅は事件の大小公私に何の関係もあるまい

「心の受けた 傷の深浅は、 事件の大小公私などに 何の関係もあるまい。 人間の心の出来とは さういふものと 観ずる知見はあるのだ。」 小林秀雄 「新編 考へるヒント[読者]」 『無私の精神』文藝春秋 p.424 1967

他人を負かすってのはむずかしい事じゃあないんだ…

「他人を負かすってのは そんなむずかしい事じゃあ ないんだ… もっとも『むずかしい事』は! いいかい! もっとも『むずかしい事』は! 『自分を乗り越える事』 さ!」 荒木 飛呂彦 『ジョジョの奇妙な冒険』 岸辺露伴のセリフ