2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ぼくは花を真上から踏みつけすりつぶした

「部屋の中は 窓も入口の扉も しめきられているのに 奇妙に寒くて、 このままにしていると ぼくの体のなかまで 凍えてしまう気がした。 ぼくはうつぶせになって 机の上に置いてある 物理のノートに書いた地図に ×印をつけた。 いま×印をつけた家には 庭に貧…

ひとつの思想が異なる言語・文化体系に移されること

「…すでにひとつの思想が 異なった言語・文化体系のなかに 移されることは、 それ自体で第一次的 とでもいうべき変換を ひきおこしているのであるし、 そのことの自覚なしには 紹介すらもありえない からである。 われわれはそれに あえて第二次的な変換を …

面を打ちなさい!

「試合に 勝つための技など、 武専生には いらないのです。 普段の稽古どおりの剣で 試合に勝てるようで なければならない! 面を打ちなさい! 面を打つのが 一番難しいのだ! 面さえ打てれば あとは どこでも打てるのです!」 村上もとか 『龍』2巻 p.58Ama…

言語インペリアリズム(帝国主義)がはびこりました

「現代哲学が それまでの時代の哲学に対して 際だっているのは、 言語・他者・身体を 扱うところにあると よく言われます。 いっとき言語主義と言われるものが流行り、 言語を介して すべてのものが理解されるのだから、 世界の構造が理解されるためには 言…

人は、人生を始めてから、徐々に芸術を始める。

「人は、 人生を始めてから、 徐々に芸術を始める。 私の場合は逆で、 芸術を始めてから 人生を始めたような 気がしている。 それはそれとして、 一般的には、 人生から芸術へ というのが筋道であろう。」三島由紀夫 『若きサムライのために』文春文庫 冒頭…

〔立ち居合の部〕十本目「四方切り」

「(十)十本目 「四方切り」 [要義] 前進中、四方の敵の殺気を感じ、 機先を制して まず刀を抜こうとする 右斜め前の敵の右こぶしに「柄当て」し、 つぎに左斜め後ろの敵の「水月」を突き刺し、 さらに右斜め前の敵、 続いて右斜め後ろの敵、 そして左斜…

私的言語に対するウィトゲンシュタインの有名な議論

「「私的言語」に対する ウィトゲンシュタインの 有名な議論は、 非常にしばしば 論ぜられて来たので、 それについて その上更に 詳論することは 無駄ではないか、 という疑いがないわけではない、 という事は確かである。 以下で述べる詳論の 大部分の内容…

他人の言葉に振り回され、他人の人生を生きてしまう

「自分のことを 考える場合には なるべく 正確な言葉を 使わなければならない。 そうでないと、 自分が持っているのでもない 他人の言葉に振り回されて、 結局他人の人生を 生きてしまうことになる。」秋山駿

父が飲んだのと同じ酒を味わいながら、

「父が 飲んだのと同じ酒を 味わいながら、 私は 念願がひとつひとつ かなったような気がした。 もう父は 死んでいるが、 生まれてはじめて 父といっしょに 飲んでいるようだった。」常磐新平 〜テクスト礼讃〜 http://fiderio.blog68.fc2.com/blog-category…

我々は…知識を持つことはできない。

「我々は、 理念に対応する 対象については、 蓋然的な概念を もち得るにしても、 知識 を持つことは できない。」イマニュエル・カント 『純粋理性批判』1781

紀元五四年、ネロが十七歳で即位したとき、

「『アポコロキュントシス』は、 紀元五四年、 ネロが十七歳で即位したとき、 少年のころからネロの 師傳であり 今や帝室の最高顧問になっていた セネカが、 笑わせながらネロに 皇帝としてのクラウディウスの 愚劣と残酷を風刺し、 「正しい王」のあり方 を…

親はいつまでも、子供を

「親は いつまでも、 子供を 子供に 見過ぎます。」平塚らいてう 〜テクスト礼讃〜 http://fiderio.blog68.fc2.com/blog-category-143.html

詩には、組織的破壊がある。

「詩には、 日常の 言葉に対する 組織的破壊 がある。」サミュエル・ジョンソン

恋愛とは何か。曰く、「それは…

「だから 私は、 はじめから 言つてある。 恋愛とは何か。 曰く、 「それは 非常に 恥かしいもの である」と。」太宰治 〜テクスト礼讃〜 http://fiderio.blog68.fc2.com/blog-category-143.html

オスカー・ワイルドもいうように

「オスカー・ワイルドもいうように 「モードとコレクションは、 どちらも宗教によっては 決して与えられなかった 安心感を人間に与える」 のである。」ジャン・ボードリヤール(今村仁司・塚原史訳) 『象徴交換と死』ちくま学芸文庫 1992

〔立ち居合の部〕九本目「添え手突き」

「(九)九本目 「添え手突き」 [要義] 前進中、左の敵の殺気を感じ、 機先を制して 右袈裟に抜き打ちし、 さらに腹部を 添え手で突き刺して勝つ。」財団法人全日本剣道連盟 「全日本剣道連盟居合(解説)」

芸術作品の無意識は、

「芸術作品の 無意識は、 それの 審美的研究にとって、 絶対に 必要である と思われる」ニコラス・アブラハム

カント以前の哲学説では、

「カント以前の哲学説では、 外にある物体を カメラのように 精神が捉えているという 素朴な認識論しかなかった。 だが、 彼は、 物をあるがままに 認識しているのではなく、 素朴を意識の方から 作り直していると考えた。 これを コペルニクス的転回 という…

辞典と名のつくものは、集めるのが大好きである

「私は フランス語の辞書だけでなく、 およそ辞典と名のつくものは、 百科事典をも含めて、 それを集めるのが大好きであるが、 日本語の辞書でも、 古本屋などで 変わったものを見つけると、 乏しい財布の底をはたいて それをかいこむことにしている。 そし…

「ボールから手を離すと落下する」

「…ヒュームは 「ボールから手を離すと 落下する」 というのは経験的に 人間がそう信じているだけで、 別に決まっているわけではない と断言するのだ。 なぜなら「ボールから手を離す」 という文脈のどこを いじくりまわしても 「落下する」は出てこない。 …

夢は、精神の姿勢の原型

「夢は 私達の 精神の 姿勢 の原型を 示しているのである。」埴谷雄高

「僕は当て推量なんかしない」──ホームズ

「「僕は当て推量なんかしない」 ──シャーロック・ホームズ 『四つの署名』 「しかし、われわれは 当て推量によって 真理に達するか、 まったく諦めるか、 どちらかしかない」 ──チャールズ・S・パース『草稿』692」T.A.シービオク・J.ユミカー=シービオク(…

僕たちの音楽は、夢見心地の音楽。夢の世界さ。

「僕たちが 作っているのは 夢見心地の 音楽。 夢の世界さ。」Jean Benoit Dunckel(AIR) 駒形四郎「エールのムーン・サファリのライナーノーツ」より 1997「Nicolasは独学でギターとピアノを習得していて、JBは音楽学校でクラシック・ピアノを学んでいたとい…

人間の実体は実存(die Existenz)なのである。

「しかしながら 人間の実体は 霊魂と 肉体の総合 (die Synthese von Seele und Leib) としての精神ではなく、 実存 (die Existenz) なのである。」マルティン・ハイデガー 『存在と時間』(原佑・渡邊二郎訳)中公バックス 世界の名著74 昭和55 117

大事をなさんと欲せば、

「大事をなさんと欲せば、 小なる事をおこたらず 勤むべし、 小積りて 大となればなり。」 二宮尊徳

ずっと以前、僕がまだ九つで、この世が素晴らしく、

「ずっと以前、 僕がまだ九つで、 この世が素晴らしく、 人生がまだ美しく 不思議な夢であった頃、 僕以外の者が皆、 少しキ印だと思っていた 従兄のムーラッドが、 朝四時に家に来て 僕の部屋の窓をたたいた。 「アラム」 僕は飛びおきて、 窓の外を見た。 …

思想警察はウィンストンをうち砕いた。

「ここでちょっと、 ジョージ・オーウェルの 『一九八四年』を取りあげてみよう。 ウィンストンはジュリアを 愛しているにもかかわらず、 思想警察の餌食になって ジュリアを否定し、 裏切った。 それは思想警察が、 彼の最も恐れているものが ネズミだとい…

その意味では日本文明というものが歴然と存在します

「わたしが考えている 文明というのは、 むしろフランスにおける シビリザシオンにちかいもの でございまして、 精神文明も物質文明も 両方ともふくんでおります。 歴史的連続体としての 文明をかんがえている。 そのなかには 人間そのものがふくまれており…

祝祭日は、諸人物の追憶に捧げられるのです。

「祝祭日というものは、 一般的にいって、 まず 回想に捧げられているものです。 ことに、 文化的生活の発展に、 特別な功績のあった 諸人物の追憶に捧げられるのです。 先行者にたいする この好意ある祭典は、 まさに ないがしろにすべき ではありません。 …

吉良常よ 暫く寝て居れ

「吉良常よ 暫く寝て居れ 原稿未着にて お前がどうなるのか 挿画々家にはわからぬ」中川一政尾崎士郎『続々人生劇場 残侠篇』の挿絵画家時代