2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

あまりにも耳をかたむけなければならぬことが多い

「しかしだんだんと 日本の國が大きくなり、 外へ出ていく人、 外から入つてくる者が ひじやうに多く、 もうこの太平洋戦争よりも ずつと前から村で話になる事件は 何十倍、何百倍といふほども増加し、 話の種類もすつかりちがつてきてゐる。 今ではあまりに…

これは のみの ぴこ

「これは のみの ぴこ これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽ ふんずけた あきらくん これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽ ふんずけた あきらくんの まんが よ…

どっどどどどうどどどうどどどう

「どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいくわりんもふきとばせ どっどど どどうど どどうど どどう」宮沢賢治 『風の又三郎』齋藤孝『声に出して読みたい日本語』草思社 p.18 「一、腹から声を出す」にも収録Amazon最安値で出…

マルセル・デュシャンのラレー街11番地のドアは、

「マルセル・デュシャンは 「蝶番」という着想を、 文字通りに、 また逆説的に用いようとした。 そのために、 彼のラレー街11番地のドアは、 閉じていながら開き、 開いていながら閉じる。 そこには、 ラフォルグの「独身のたそがれの嘆き」 という詩が隠さ…

どびんわり(しゃくとりむし)小学館昆虫の図鑑より

「どびんわり (しゃくとりむし) むかし、 畑仕事をしていた農夫が、 枝だと思って、 どびんをかけたら、 おちてわれたので、 この名がついた。」古川晴男監修 『小学館の学習百科図鑑2昆虫の図鑑』小学館 昭和46年 p.46むかし、自分が読んでた図鑑を子ども…

幻の方が色あせて消えていくということにはならない

「夜半、ふと眼をあけると、 視界全体が、いつのまにか 生家の八畳間になっている。 それは幻というやつであって、 今、 自分が、 どこに寝ていてどういう状態か、 むろんよく承知をしている。 けれども、 頭がはっきりしているから、 幻の方が色あせて消え…

小早川、加藤、小西が今宵の月を如何に見るらん

「一九一○年八月二九日、 「日韓併合」をなしとげて 初代朝鮮総督となった 寺内正毅は、 その夜、 月を見ながら 「小早川、加藤、小西が世にあらば、 今宵の月を如何に見るらん」 と詠み、 秀吉の時代に朝鮮侵略の 先頭に立った諸大名が 為し遂げられなかっ…

Sunset sideは穏やかな夜に、Sunriseは休日の昼間に聴いてみて欲しい

「…このアルバムをコンパイルしているDJ Maestroという人物、 日本ではあまり知られていないが、ヨーロッパではかなり人気のDJらしい。 彼に関する情報は少ないが、ここで聴かれる限り、 かなりのセンスを有していることが判る。 楽曲は全てBLUE NOTEレーベルが有…

ケン・イシイの「EXTRA」とナルト

「大学生の時、 あるミュージック・クリップに 釘付けになったことがある。 ケン・イシイのミュージック・クリップ、 「EXTRA」。 ボクの大好きなアニメーターのひとり、 森本晃司さんの作品だ。 …学校を休んで 一日中ずっと見るほど ハマってしまった。 な…

シテ方、ワキ方、狂言方、囃方そのすべてを能役者

「能舞台は ふつう六メートル四方の 本舞台の四隅に 柱を立てて屋根を懸け、 これにアト座・地謡座・橋掛りを付けた構造だ。 この上にシテ方(シテ、シテツレ、子方、地謡)、 ワキ方(ワキ、ワキツレ)、 狂言方(アイ)、 囃方(笛、小鼓、大鼓、太鼓)な…

これらの暗く毒にみちたページの沼地をたどりつつ、

「天に願わくは、 読者が大胆になり、 しばしのあいだ 彼が読むもののように 凶暴になって、 これらの暗く毒にみちたページの 荒涼とした沼地をたどりつつ、 方角を失うことなく、 みずからの 険しく未開の道を 見出ださんことを。」ロートレアモン伯爵(藤…

あの時間のひどい重荷を感じないために

「肩を砕き、 匍うようにかがませる、 あの時間の ひどい重荷を感じないためには、 君は 絶えず酔っていなければ ならないのだ」シャルル・ボードレールAmazon最安値で出品中です。Amazon 古本 最安値 【 ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53) 】ふぃ…

『ドンキホーテ』=希望

「生命のあるかぎり、 希望はあるものだ。」ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ 『ドンキホーテ』 Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。【 概念・時間・言説―ヘーゲル“知の体系”改訂の試み (叢書・ウニベルシタス) (単行本)…

その目を世阿弥は「離見の見」という言葉で表現。

「…老境に達した世阿弥は 「花と、面白きと、珍しきと、 これ三つは同じ心なり」 とも言っている。 ここでは、アウラは 演者から発出するものというより、 観客に感受されるもの として捉えられている。 つまり、 よい能を最終的に実現するのは よい観客であ…

一生を通じてぼくは見てきた。〜マルドロールの歌〜

「一生を通じて ぼくは見てきた。 ただひとりの例外もなく、 狭い肩をした人間たちが、 数多くのばかげた行ないをなし、 同類たちを痴呆状態におとしめ、 あらゆる手段を尽くして 人々の心を堕落させるのを。 みずからの行動の動機を 称して言うには、 栄誉…

マルドロールはややの同類なのだ

「ロートレアモンは、 じぶんを人間から類別された <人間> という場所に追いあげる。 そこは 人間を <人間>が 眺めることができる場所である。 […] この場所では、 じぶん以外の人間は <他者>として映る存在では なくなってしまう。 あたかも、 人間が <鱶>や…

一睡夢 一盃酒

「四十九年 一睡夢 一期栄華 一盃酒」上杉謙信 辞世

とっぴん ぱらりの ぷう

「とっぴん ぱらりの ぷう」長谷川摂子 文、はたこうしろう 絵 『てのひらむかしばなし ももたろう』 岩波書店 2004 物語の括りのコトバAmazon最安値で出品中です。Amazon 古本 最安値 【 ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53) 】ふぃでりお 「Amazon…

あなたに向けて書くものが文学となるからには、

「私が あなたに向けて書くものが 文学となるからには、 私はもはや あなたに語りかけません。 それゆえ私は、 特に あなたに語りかけるように 私に命じる あの義務に背いているのです」ジャック・デリダ 『郵便絵葉書』Amazon最安値で出品中です。Amazon 古…

身体に何ができるかということさえ、わかっていない

「スピノザが、 身体に何ができるかということさえ、われわれにはわかっていない、 と言うとき、 この言葉はほとんど鬨声に近い。 彼は続けて次のように言う。 われわれは意識、 精神、心、身体に対する 精神の能力について語る。 われわれはこれらについて …

開かれた自由人・閉ざされた自由人

「デュシャンは、 領収書の裏やホテルの便箋の 余白に書いた、 「蝶番」から「遅延」に至るメモを そのまま『グリーン・ボックス』 で公開している。 さらに、 美術家としての歩行の軌跡は フランスからアメリカへ、 アメリカからアルゼンチンへと 地球の緯…

クロード・モネ『ルーアン大聖堂』

「印象派の画家 クロード・モネの『ルーアン大聖堂』 を描いた連作は 三十枚にも及んだという。 そのうちの二十八枚は、 大聖堂の正面ファサードを ほぼ同じ視点から、 さまざまな天候の下で、 一日のうちの 異なる時間帯に描いている というから驚きである…

レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』

「レオナルドが、 「わたしに関心をもつなら、わたしを読み給え」 と差し出した『モナ・リザ』は、 一五一○−一五年頃、 七七×五三センチの板に 油彩の作品である。 この、「モナ・リザ」と呼ばれる 優雅な女性の光と影の織りなす 「微笑」は、 心の平静さと…

この世に強い人なんておらん!

「旅に出て よかったのは海を見れたこと 一度見たかったんじゃ 美作に海はないからの 又八のおかげじゃ 又八…… この世に強い人なんておらん 強くあろうとする人 おるのはそれだけじゃ」井上雄彦『バガボンド』31巻 #272 講談社 2009Amazon最安値で出品中です…

新しい光で読んでもらひたいのです。

「此叢書の 一つの価値は、 寸分も作り話の無いことです。 敢て有益とは言ひませぬ。 面白ければ其で結構です。 炉何となれば、 現実にして且 面白ければ、 是ほど結構な人世は無いからです。 炉辺とは有りますが、 炉の無い家では 火鉢の側でもよろしい。 …