2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

炭って木を燃やして作るんだよね。二酸化炭素は増えないの?

「炭って木を燃やして作るんだよね。二酸化炭素は増えないの?地球温暖化が進んじゃう。炭を燃やせば二酸化炭素は出るけど、それはもともと木が成長する時に吸ったものだから地上の二酸化炭素を増やす事にはならないのよ。また木を植えて育てれば、その分の…

宵待草のやるせなさ今宵は月も出ぬそうな

「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬそうな」竹久夢二 1918(大正7年)9月

奥さん、Kは自殺しました

「私は顋で隣の室を指すようにして、「驚いちゃいけません」といいました。奥さんは蒼い顔をしました。「奥さん、Kは自殺しました」と私がまたいいました。奥さんはそこに居竦まったように、私の顔を見て黙っていました。その時私は突然奥さんの前へ手を突…

徳川氏はその諸法度をもって人民の噴火口を密閉すること三○○年

「徳川氏はその諸法度をもって人民の噴火口を密閉すること三○○年、由井正雪、佐倉宋五郎、大塩平八郎等、点々二、三の小爆発を見たるのみ。しかるに、この三○○年密閉の結果は、米艦来航の導火によりて、大破壊を生じ、大転覆を起こし、ついに明治政府の建設…

首都は実に一国の花なり。しかれども一国の根幹は地方にあり

「首都は実に一国の花なり。しかれども一国の根幹は地方にあり。東京は実に日本の花なり。しかれども、仏国の実力が決してパリーに存するるにあらざると同じく、日本の実力は決して東京に存するにあらざるなり。東京は腐敗所なり。九州、東北、中国、四国、…

その少数は他日またその多数のために転覆せらるべきことを意味す

「要するに、「成功」の裏には「失敗」あり、「失敗」は常に多数にして「成功」は常に少数なるがゆえに、「成功」は少数をもって多数を圧することを意味し、その少数は他日またその多数のために転覆せらるべきことを意味す。結局、「成功」の二字には不道徳…

過ちて改めざる是を過という

「過而不改、是謂過 」 過ちて改めざる是を過という『論語』

すでに生命を失いたるその肉と骨とは、ただ黙然としてその座上に横たわりしなるべし

「渋沢家の奥ふかき一室において華麗なる装飾物の間において、かの小包郵便物の開かれたる時、意外にも現れ出でたるその血染めの手首は、はたして何事を渋沢家の人々に語りしか。吾人はその手首が堅くそのこぶしを握りつめいたりしか、あるいはそのしなびた…

世間体がこの場合、私にとっては非常な重大事件に見えたのです

「それでも私はついに私を忘れる事ができませんでした。私はすぐ机の上に置いてある手紙に眼を着けました。それは予期通り私の名宛になっていました。私は夢中で封を切りました。しかし中には私の予期したような事は何にも書いてありませんでした。私は私に…

夕に死すとも可

「子曰朝聞道夕死可」 朝に道を聞かば夕に死すとも可なり『論語』

下駄も仏も

「下駄も仏も同じ木のはし」横井也有 『鶉衣』

自分が最も信愛しているたった一人の人間すら、自分を理解していないのかと思うと、悲しかったのです

「酒は止めたけれども、何もする気にはなりません。仕方がないから書物を読みます。しかし読めば読んだなりで、打うち遣やって置きます。私は妻から何のために勉強するのかという質問をたびたび受けました。私はただ苦笑していました。しかし腹の底では、世…

私はあくまで滑った事を隠したがりました。

「要するに私は正直な路を歩くつもりで、つい足を滑らした馬鹿ものでした。もしくは狡猾な男でした。そうしてそこに気のついているものは、今のところただ天と私の心だけだったのです。しかし立ち直って、もう一歩前へ踏み出そうとするには、今滑った事をぜ…

私にはKがその刹那に居直強盗のごとく感ぜられたのです。

「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」私は二度同じ言葉を繰り返しました。そうして、その言葉がKの上にどう影響するかを見詰めていました。 「馬鹿だ」とやがてKが答えました。「僕は馬鹿だ」Kはぴたりとそこへ立ち留まったまま動きません。彼は地面の…

私はその刹那に、彼の前に手を突いて、詫まりたくなったのです。

「彼はいつもの通り書物から眼を放して、私を見ました。しかし彼はいつもの通り今帰ったのかとはいいませんでした。彼は「病気はもう癒いのか、医者へでも行ったのか」と聞きました。私はその刹那に、彼の前に手を突いて、詫まりたくなったのです。しかも私…

心で手を合わせる気持ちにさせた。

「路地に降る雨も雪も決して冷たいばかりではない、痛いばかりではないと大きなものに心で手を合わせる気持ちにさせた。」中上健次 「半蔵の鳥」

だれにも承認されない権利などなにほどのものでもない

「権利の観念とは義務の観念に従属し,これに依拠する。ひとつの権利はそれじたいとして有効なのではなく,もっぱらこれに呼応する義務によってのみ有効となる。権利に実効性があるかいなかは,権利を有する当人ではなく,その人間になんらかの義務を負うこ…

中上健次「半蔵の鳥」

「初めて男の精があふれた時、半蔵は久市の女房の中に、自分の血が思わず流れ出してしまった気がしたのだった。」中上健次 「半蔵の鳥」

古人の求めたる所を求めよ

「古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ」(空海の語による)松尾芭蕉「柴門の辞」

私はまず「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」といい放ちました。

「私はまず「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」といい放ちました。これは二人で房州を旅行している際、Kが私に向って使った言葉です。私は彼の使った通りを、彼と同じような口調で、再び彼に投げ返したのです。しかし決して復讐ではありません。私は復讐…

想像力は歴史家にとって危険である。なぜなら、

「しかし、想像力は歴史家にとって危険である。なぜなら、彼は、彼が想像したものがまさに真相であったこと、そしてそれが、詩人や小説家の活動の特質を特徴づけるために使われる意味で、彼の『想像力』の所産ではないことを、知ることができないからである…

テクスト性の概念は、世界を、言語的テクスト、書物、伝統、批評、教育に還元することを意味しない

「テクスト性の理論家たちは、マルクスを世界(歴史および社会)の理論家として、また労働と生産-流通-分配の力のテクストとして読む。そしてフロイトを、自我の理論家として、意識と無意識のテクストとして読む。このような、人間のテクスト性は、世界と自我…

世阿弥『花伝書』より

「初心忘るべからず」世阿弥 『花伝書』

名前によって名付けられたものはすべて一つ

「もし普遍的なものがあるとしたら、それは名前だけである。名前によって名付けられたものはすべて一つしか存在しえない個別的なものである。」トマス・ホッブス 『リヴァイアサン』

くすりあればとて

「くすりあればとて毒をこのむべからず」親鸞『歎異抄』 いわゆらモラルハザードに対する指摘

3つの莫れ

「功を求むる莫れ、拙を蔽う莫れ、他人に恥しがる莫れ」正岡子規 「俳諧大要」

女はやわらかに…

「女はやわらかに心うつくしきなんよき」紫式部『源氏物語』宿木

私はその人に対して、ほとんど信仰に近い愛をもっていたのです。

「私はその人に対して、ほとんど信仰に近い愛をもっていたのです。私が宗教だけに用いるこの言葉を、若い女に応用するのを見て、あなたは変に思うかも知れませんが、私は今でも固く信じているのです。本当の愛は宗教心とそう違ったものでないという事を固く…

カロルス・リンナエウスの分類

「自然は飛躍をなさず」カール・フォン・リンネ自然の急激な変化を認めないスウェーデンの博物学者リンネの言葉

冷やかな頭で新しい事を口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じる

「私は今あなたの前に打ち明けるが、私はあの時この叔父の事を考えていたのです。普通のものが金を見て急に悪人になる例として、世の中に信用するに足るものが存在し得ない例として、憎悪と共に私はこの叔父を考えていたのです。私の答えは、思想界の奥へ突…