2007-09-03 娘を奪われなければならない ギリシア文学 クリュタイメストラ 「当事者であるメネラオスが、娘ヘルミオネを犠牲に殺せばよい。不義をした女(メネラオスの妻、ヘレネ)が、娘を連れてスパルタに戻ってきて、幸せに暮らすというのか。他方、あなたに操を立ててきた私は、娘を奪われなければならないのか。」 アガメムノン 「私も人を憐れむことは知っているつもりだ。狂人でもない以上、自分の子が可愛い。こんなことをするのは気がとがめるが、しないでおくのもまた気がとがめるのだ。これは是が非でもしなければならぬ。」 エウリピデス『アウリスのイピゲネイア』