三島由紀夫
「人はあえていうであろう。 特攻隊は、 いかなる美名におおわれているとはいえ、 強いられた死であった。 そして学業半ばに青年たちが、 国家権力に強いられて無理やりに死へ追いたてられ、 志願とはいいながら、 ほとんど強制と同様な方法で。 確実な死の…
「文学者は、英雄たらんがためには、 思想か信仰を持たねばならない。 そうすれば、 小林多喜二のように殺される可能性も出てくる。 思想や信仰もなしに、 英雄足らんとするのはむずかしい。 ……私には文学者イコール弱虫の卑怯者という考えは、 やはりどうし…
「ただ、一九七○年九月十四日、朝日新聞の記者(当時)、森本哲郎のインタビューを受けたおり、ノーベル賞を取りたいですか、という質問に対して三島は、取りたいかそうでないかについては答えず「拒否します」と返答している。「百五十年前、ロシアに負けて、…
「那智の滝は、 古え、 神武天皇がこの滝を神と祭られ、 大穴牟遅神(大国主神)の神体と 仰がれて以来、 二千年にわたって霊所となり、 宇多上皇このかた八十三度の御幸あり、 花山天皇は千日の滝籠りをされたところである。 また、 役行者の滝行以来、 修…
「美は…… 美的なものは もう 僕にとつては 怨敵なんだ」三島由紀夫 『金閣寺』昭和三十一年刊
「われわれがおとなになる といふことは、結局、 自分の中だけで生きてゐることではなくて、 人間が自分の人生の中で、 別な人間との関係をいかに 処理していくか、そして、 いかに他人を自分の中に取り入れるか、 といふことです。」 三島由紀夫 今日の気分…
「人生への出発の促し。 スポーツを軽蔑する スポーツが公開されてゐるのに どうして死刑は公開されぬか!」 三島由紀夫「「金閣寺」創作ノート」校訂 佐藤秀明『三島由紀夫没後三十年』新潮11月臨時増刊今日の気分 【 Daft Punk “Too Long” 】 売れたね。こ…
「わたしは三島由紀夫のイデオロギーがどんなものであったか知らないし、興味がない。三島由紀夫について考えるとき、興味があるのは、三島自身及びメディアが、個人の問いを共同体の問いにすり替えてしまったのではないかということに尽きる。」 村上龍「三…
「麗子は咽喉元へ刃先をあてた。一つ突いた。浅かった。頭がひどく熱して来て、手がめちゃくちゃに動いた。刃を横に強く引く。口のなかに温かいものがり、目先は吹き上げる血の幻で真赤になった。彼女は力を得て、刃先を強く咽喉の奥へ刺し通した。」 三島由…
「R博士は独乙人で、ライン流域のデュッセルドルフの人である。永く伊太利に定住し、そのおびただしい著作の数は、古代彫刻の権威に背かない。」 三島由紀夫『美神』冒頭
「最初にその部屋へ入った婦人は金切声をあげて立ちすくんだ。 R博士の死顔があまりに怖ろしかったからである。」 三島由紀夫『美神』末尾
「詩はまったく楽に、次から次へ、すらすらとできた。学習院の校名入りの三十頁の雑記帳はすぐ尽きた。どうして詩がこんなに日に二つも三つもできるのだろうと少年は訝った。一週間病気で寝ていたとき、少年は「一週間詩集」というのを編んだ。ノオトの表紙…
「歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。 歌島に眺めのもっとも美しい場所が二つある。一つは島の頂きちかく、北西にむかって建てられた八代神社である。」 三島由紀夫『潮騒』冒頭
「幼時から父は、私によく、金閣のことを語った。私の生まれたのは、舞鶴から東北の、日本海へ突き出たうらさびしい岬である。父の故郷はそこではなく、舞鶴東郊の志楽である。」 三島由紀夫『金閣寺』冒頭
「決定されているが故に僕らの可能性は無限であり、止められているが故に僕らの飛翔は永遠である。」 三島由紀夫『わが世代の革命』
「傷つきやすい人間ほど、複雑な鎖帷子を織るものだ。そして往々この鎖帷子が自分の肌を傷つけてしまう」 三島由紀夫『小説家の休暇』
「中尉は右手でそのまま引き廻そうとしたが、刃先は腸にからまり、ともすると刀は柔らかい弾力で押し出されて来て、両手で刃を腹の奥深く押さえつけながら、引き廻して行かねばならぬのを知った。引き廻した。思ったほど切れない。中尉は右手に全身の力をこ…
「日本文化は、本来オリジナルとコピーの弁別をもたぬことである。……そこではオリジナルの廃絶が絶対的廃絶でないばかりか、オリジナルとコピーの間の決定的な価値の落差が生じないのである。このもっとも端的な例を伊勢神宮の造営に見ることができる。持統…
「歌舞伎、文楽なら守ってもいいが、 サイケデリックや”おらは死んじまっただ”などという 頽廃的な文化は弾圧しなければならない― というのは政治家の考えることだ。私はそうは考えない。 古いものも必ずしも良いものではなく、 新しいものも必ずしも悪いも…
「逆説はその場のがれにこそなれ、 本當の言ひのがれにはなりえない。 逆説家は逆説で自分を追ひつめ、 とどのつまりは自分自身から言ひのがれの權利を のこらず剥奪してしまふのである。」三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」p.61 クリックまってます♪
「美しい人は夭折すべきであり、 客観的に見て美しいのは若年に限られているのだから、 人間はもし老醜と自然死を待つ覚悟がなければ、 できる限り早く死ぬべきなのである。」三島由紀夫「心中論」
「夏の日光かま斜めになって、 昭堂のあたりは日が山に遮られてすでにかげっている。 山門はあたかも、 影と日向とを堺にして聳えている。」三島由紀夫「海と夕焼」
「をかしくない漫画はごめんだ」「おそろしく下品で、おそろしく知的、といふやうな漫画を私は愛する」漫画は「「食われる状態」をうまく作り上げねばならぬ。「物」になつてゐなければならぬ。」 三島由紀夫「わが漫画」 ブログ内検索Amazon最安値でセンス…