2007-09-27から1日間の記事一覧
「探偵小説が文芸であるかドウカは責任を負う限りでない。或(あるい)は香水の化学方程式みたようなものかも知れぬ。又は美人のレントゲン写真に類する者かも知れぬ。 だから題材の選択は無限の自由さを持っている筈である。だからその選択者の個性が、極端…
「探偵小説は芸術であってはならない。 エロ、グロ、ノンセンス、ユウモア等の謎々以外の風味を含ませるのは探偵小説の邪道、堕落道である。冒険、神秘、怪奇、変態心理、等々々の名を冠らせ得る小説は、探偵小説界の外道、寄生虫でしか在り得ない。そんなも…
「観察すること相手を対象化してこれを「読む」行為には、まず対象との距離が相手をものとして見る視線が大前提であるということだ。世界から疎外されていればいるだけ、従って世界を細密に読むことができる」 『心変わり』 M.ビュトール/清水 徹:訳 ( 岩…
「風景もまた空間に刻みこまれたテクストである。それは人間の実践の痕跡によって編まれ、人間の実践を包囲する、巨大な一冊の書物である」 『心変わり』 M.ビュトール/清水 徹:訳 ( 岩波文庫 )