たしかに、吉備にはあった

「私自身も、「日本の中の朝鮮文化」を書く必要上、岡山、吉備を訪ねたのであり、それまでは、吉備などというところは、知りませんでした。
訪ねてみて驚いたことは、「吉備王朝」といわれるようなものが、たしかに、吉備にはあったということです。
たとえば、吉備は、一般の歴史書には大和朝廷の勢力によって征服されたというふうに書かれていますが、大和というところは、ほうぼうを歩いてみれば、いわば底が浅く、少なくとも大和がどういうところであるかが見えます。
 しかし、吉備へ行ってもその底はとても見えてこない。
それほど奥深いところなのです。」
キム・タルス「日本古代史と朝鮮」講談社学術文庫