2011-03-20から1日間の記事一覧

ひとびとが自分を自由な個人であると思いこんでいた

「戦争のなかでメルロ=ポンティが見出だしたことは、 歴史の与える状況のまえでは、 われわれは「自由な個人」ではなくて、 「フランス人」であったり「労働者」であったり、 相互にそれぞれの資格でしか働きかけあわない、 もっと一般的な「ひと」であると…

哲学者に学ぶべきものは、答ではなくて問である。

「哲学者に学ぶべきものは、答ではなくて問である。答えることよりも問うことのほうが、何十倍も難しい。それで、ほかのひとの問を盗もうとするひとまでいる。答を盗めばヒョウ窃といわれるが、問を盗んでもなにもいわれない。しかし、問を盗むことなど、本…

その人が掻きやすい場合を掻いてくれるようなもの

「――教科書には、驚くべきことに、重要度の高い順というよりは、話が分かりやすい順で載せられる傾向がある。ちょうど、だれかに背中を掻いてほしい場合に、痒い場所よりも、その人が掻きやすい場合を掻いてくれるようなものだ。」 船木亨 『メルロ=ポンテ…

確かに「人生の教え」たらんとする思想が多かった。

「西欧哲学にも倫理学があるが、それは世界的に見ればひとつの倫理学にすぎない(とわたしは考えている) 。日本の伝統的思想はもとより倫理学であって、確かに「人生の教え」たらんとする思想が多かった。だが、それもひとつの倫理学にすぎない。」船木亨 『…