八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた

「彼は昆虫どもの悶死するありさまを、


つぶさに観察していた。


秋が冷えるにつれて、彼の部屋の畳の上で死んでゆく虫も日ごとにあったのだ。


翼の堅い虫はひっくりかえると、もう起き直れなかった。


蜂は少し歩いて転び、また歩いて倒れた。


季節の移るように自然と亡びてゆく、静かな死であったけれども、近づいて見ると脚や触覚をふるわせて悶えているのだった。


それらの小さい死の場所として、八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた。」

川端康成
『雪国』

虫のいる風景

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By ダータファブラさん

自分が持っているのは昨年購入した郡司勝義氏の「注解」付の新潮文庫『雪国』です。(現在もこの仕様なのかは知りません)ネタバレが嫌、注釈をチェックしながら読む、小説の世界に入り込みたい(読みながら他者の意見を聞かされたくない)、そういった方々には他の仕様の『雪国』を読むことをお薦めします。

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