八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた
「彼は昆虫どもの悶死するありさまを、
つぶさに観察していた。
秋が冷えるにつれて、彼の部屋の畳の上で死んでゆく虫も日ごとにあったのだ。
翼の堅い虫はひっくりかえると、もう起き直れなかった。
蜂は少し歩いて転び、また歩いて倒れた。
季節の移るように自然と亡びてゆく、静かな死であったけれども、近づいて見ると脚や触覚をふるわせて悶えているのだった。
それらの小さい死の場所として、八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた。」
川端康成
『雪国』
虫のいる風景
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