吉田健一

ロンドンの暴徒に言ってやりたい吉田先生の言葉

「文明の状態は 我々が 人を人と思ふこと に尽きる」吉田健一 『ヨオロツパの世紀末』

その文勢はすさまじい。奔放とい えば奔放、

「亡くなった三好達治氏が 口癖のように言っていたことだが、 吉田健一氏は大変な文章家である。 月並みの文章読本の類には とても収まらないほど、 その文勢はすさまじい。 奔放といえば奔放、 自由といえば自由だが、 それでいて、 足さばきは決して乱れな…

書棚には、五百冊ばかりの本があ れば、それで十分

「書棚には、 五百冊ばかりの 本があれば、 それで十分 というのが、 吉田さんの 口癖だった。」篠田一士 『吉田健一論』筑摩書房 1981 p.178Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。岩波ベストテン:岩波書店のランキングみすず…

新聞に恋愛小説が引用してあったら、どうするのか。

「例えば、 恋愛小説で 登場人物が 新聞の社説を読む所が 出て来て、 新聞社説に 恋愛小説の一節が 引用してあったら、 どうするのか。」吉田健一 「文学の正体」 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.135-136 Amazon最安値でセンスの光る古…

小皿に南京豆を煎ったのが盛ってあった

「…一枚めくって次の所に 何が書いてあるか ということに対する期待は、 それが 本を読むということの生命であって、 従って又、 それが文学でもある。 書き出しの魅力 というのもそこにあり、 書く方でも、 これが決ってその先を書く弾みが付く。 食べもの…

ジョイスの「フィネガンのお通夜」を率直に駄作と

「…ジョイスの 「フィネガンのお通夜」 を率直に 駄作 と認めた方が 文学 の為にも いい。」吉田健一 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 「文学の範囲」p.109Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。岩波ベストテ…

「普通の読者 コモン・リーダー」吉田健一

「もし吉田氏を 批評家 とよぶことが 不適当だということになれば、 いったいなんだろうか。 読者である。 もう少し丁寧にして、 あのサミュエル・ジョンソンが用いた 「普通の読者 コモン・リーダー」 と言おう。」篠田一士 『吉田健一論』筑摩書房 1981 p.…

吉田健一「翻訳論」『横道にそれ た文学論』文藝春秋

「翻訳は 一種の 批評 である。」吉田健一 「翻訳論」 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.163Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。岩波ベストテン:岩波書店のランキングみすず書房復刊情報角川学芸WEBマ…

本を開けて、話は再び、昔、或る 所に戻って行く

「これが小説であるか、 批評であるか、 それとも歴史か などと 考える必要はない。 我々は何かを期待して 一冊の本を開けて、 話は再び、 昔、或る所 に戻って行く。」吉田健一「文学の正体」『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.142Amazon…

それが焼き芋の仕事である

「小説家の仕事は 人生の解明と、 風俗の是正 にある のかも知れない。 というのは 結果論であって、 焼き芋で口に火傷をしても、 それが焼き芋の仕事である とは言えない 筈である。」吉田健一 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.23Amazon…

子供が聞くお伽噺の延長ではない 文学は

「子供が聞く お伽噺の 延長ではない 文学 というものは ないのである。」吉田健一 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 「文学の正体」p.120Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。【 概念・時間・言説―ヘーゲル“…

最初の一、二行を読み、それで充分だと思う気持

「…ジイドの「背徳者」で 主人公が長い間の病気が直り、 北アフリカの どこかの公園で 「イリアス」か何かの 最初の一、二行を読み、 それで充分だ と思う気持は、 本を読む人間ならば 解る。」 吉田健一 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p…

小説批評歴史を読む頭の働きが形 式によって変るか?

「…一般的な分け方に従って、 例えば小説と批評、 或は歴史が 同じではないと言っても、 これは形式の違いであって、 それを読む 我々の 頭の働きまでが その形式によって変る ということは 実際には あり得ない。」吉田健一 『読者の立場から見た今日の日本…

ぼくの意識の表面をかすめながら 時が流れてゆく……

「夕方の光の質を確認するためには、 ぼくには、 なかば人生からおりた旅行者として眺める パリの石の壁が必要だった。 魅せられて眺めているうちに 石の壁の色合は少しずつ微妙に変わり、 それとともに凹凸のある壁の肌の起伏も 少しずつ様相を変え、 ぼく…

吉田健一 客に呼ばれた時は、なるべく旺盛に…

「客に 呼ばれた時は、 なるべく 旺盛に 食べた方が いい。」吉田健一

ドオヴァアの海岸が月光を浴びてゐるのを眺めてゐるうち

「英国のアァノルドに Dover Beachと題する この詩人の 絶唱に数へていいものの一つがある。 夜 ドオヴァアの海岸が 月光を浴びてゐるのを 眺めてゐるうちに 思ひがアァノルドにとつての 現在だつた ヨオロツパの十九世紀に 向ふ詩であるが、 これも夜とか月…

人間は、他に人間がゐて始めて人間であり得る

「人間は、他に人間がゐて始めて人間であり得るので、ロビンソン・クルウソオが大西洋の離れ島にどれだけ長くゐようと、その願ひはもう一度、人間がゐる中に戻ることなのである。」吉田健一 〜テクスト礼讃〜 http://fiderio.blog68.fc2.com/blog-category-1…

フィクションが結局は嘘ということ

「フィクションという言葉は虚構だとか假構だとか、色々な尤もらしい意味を持つことになつているが、フィクティシャスという形容詞が贋ものを指してしか用いられないのから考えても、フィクションが結局は嘘ということの範圍を出ないものであることが解る。」…

そういう名称を知ろうと知るまいと比較文學になる

「比較文學ということがこの頃言われるようになつたが、文學に就て考え始めればそういう名称を知ろうと知るまいと比較文學になる。」 吉田健一『日本で文學が占めている位置』冒頭

我々は…生きることに就て知る

「我々は生きることで生きることに就て知る」 吉田健一『覚書』

何か大事なことを人に伝えたい時

「何か大事なことを人に伝えたい時、声を大きくしたり、どぎつい文句を使ったりした方がいいと思うのは間違いである」 吉田健一『ひまつぶし』