人が人を、何よりも自分を眺めるという事自体に由来

「モーバッサンやリラダンらが、短編小説につきものの残酷さを、人が人を、人間が生きているという事自体に由来していると考えたとすれば、色川(武大)はその惨めさを、人が人を、何よりも自分を眺めるという事自体に由来すると考えた。」
福田和也『南部の慰安』p.35 H10