一生を通じてぼくは見てきた。〜マルドロールの歌〜

「一生を通じて


ぼくは見てきた。


ただひとりの例外もなく、


狭い肩をした人間たちが、


数多くのばかげた行ないをなし、


同類たちを痴呆状態におとしめ、


あらゆる手段を尽くして


人々の心を堕落させるのを。


みずからの行動の動機を


称して言うには、


栄誉だと。」

ロートレアモン伯爵(藤井寛訳)
『マルドロールの歌』福武文庫 1991 第一歌五節