その文勢はすさまじい。奔放とい えば奔放、

「亡くなった三好達治氏が


口癖のように言っていたことだが、


吉田健一氏は大変な文章家である。


月並みの文章読本の類には


とても収まらないほど、


その文勢はすさまじい。


奔放といえば奔放、


自由といえば自由だが、


それでいて、


足さばきは決して乱れない。」

篠田一士
「書評六篇」『吉田健一論』筑摩書房 1981 p.186