小皿に南京豆を煎ったのが盛ってあった

「…一枚めくって次の所に


何が書いてあるか


ということに対する期待は、


それが


本を読むということの生命であって、


従って又、


それが文学でもある。


書き出しの魅力


というのもそこにあり、


書く方でも、


これが決ってその先を書く弾みが付く。


食べもので言えば、


これは前菜のようなものだろうか。


それよりも、


戦前に汽車の食堂車が


まだフランス風の料理を出していた頃、


小皿に南京豆を煎ったのが


盛ってあったのが


頭に浮ぶ。


塩と安いバタを使って煎ったのが


特殊な味になって、


それを契りながら


料理が運ばれて来るのを


待っているのは、


これから食事になるのだ


という気分を


妙に掻き立てたものだった。」

吉田健一
『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年
p.43

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