最初の一、二行を読み、それで充分だと思う気持

「…ジイドの「背徳者」で


主人公が長い間の病気が直り、


北アフリカ


どこかの公園で


イリアス」か何かの


最初の一、二行を読み、


それで充分だ


と思う気持は、


本を読む人間ならば


解る。」

吉田健一
『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.43

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