2007-07-27から1日間の記事一覧

わたしはボルヘスである

「しかし、しかし ── 時間の連続を否定し、自我を否定し、天文学の宇宙を否定することは、あからさまな絶望とひそやかな慰めである。スウェーデンボリの地獄やチベット神話の地獄と違って、われわれの運命はその非現実性ゆえに恐ろしいのではない。不可逆不…

もう百万年眠るのだ

「ぼくの思想がこれほどの高み(詩『この菩提樹の木陰をわが牢獄として』を書きあげた想像力の勝利をさす)にまで高揚され精神化されるのは、実に滅多にないことなのだ。むしろぼくは婆羅門(バラモン0的信条にくみすることが多い。......ぼくの願いは、ヒ…

二つの夢の類似性

「二つの夢の類似性が一つの計画を露わにする。関係した厖大な長さの時間がその超人的実行者を露わにする。その目的を探ることは無謀だが、彼がまだその目的を達していないことは断言できるだろう」 ホルヘ・ルイス・ボルヘス「コウルリッジの夢」『異端審問…

クビライは夢に見て

「クビライは夢に見て記憶にとどめた設計図に従い、上都の東に王宮を造営した」 ラシード・ウッディーン『世界総合史』(14世紀のペルシア文学パリで刊行)1836

生産者としての《精神》の歴史

「文学の歴史とは、個々の作家たちの偶発的な作品や出来事の寄せ集めであってはならない。それは、文学の生産者としての《精神》の歴史でなくてはならない」 ポール・ヴァレリーボルヘス「コウルリッジの花」はこのヴァレリーの引用から始まる。 ホルヘ・ル…

われわれには引用しかないのです

「たしかに。もはや、われわれには引用しかないのです。言語とは、引用のシステムにほかなりません」 ホルへ・ルイス・ボルヘス「疲れた男のユートピア」

ブエノスアイレスの夕暮れ

「ブエノスアイレスの夕暮れと夜がなかったらタンゴは生れないだろうし、その空にはタンゴのプラトン的なイデアが、その普遍的形体が我々アルゼンチン人を待ち受けている」 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エバリスト・カリエゴ』(岸本静江訳)ピアソラがボルヘ…