ある記号体系からもう一つの記号体系への移行

「ある記号体系からもう一つの記号体系への移行である。この移行が行われるときに力点移動と圧縮がそこに結びつくからといって、それだけが操作の全体だということにはならない。その上に定立をもたらす措定の変形がつけ加えられる。古い措定が破壊され、もう一つの措定が形成されるのだ。新しい意味体系が同じ意味素材をもって作られることがある。たとえば、言語において、語りからテクストへの移行がなされることがある。しかし、それが異なる意味素材から借用されることもまたあり得る。」
ジュリア・クリステヴァ『詩的言語の革命』原田邦夫訳、勁草書房、1991年