テクストの最小単位としての言葉のあり方は、

「このように、テクストの最小単位としての言葉のあり方は、構造モデルを文化的(歴史的)環境に結びつける媒介項であると同時に、通時態を共時態(文学構造)に変換する調整項でもあることがわかる。このあり方という観念自体によって、言葉に広がりが生じる。つまり言葉は対話を交わしている意味要素の集合としてあるいは対立しながら併存している要素の集合として、三つの次元(主体−受け手−コンテクスト)において機能している。それゆえ、文学記号論の課題は、テクストの群が交わす対話空間おなかでの言葉の(シークエンスの)さまざまな結合の仕方に対応する形式表現を見いだすことになるであろう。」
クリステヴァセメイオチケ1』pp.60-61