小林秀雄

「戦争と平和」を読み給え

「何を読んだらいいか と訊ねられると、 「戦争と平和」を読み給えと 僕は答える」小林秀雄

さう言ひたかつた宣長を想像してみて

「私達が 理解してゐる 「意識」といふ言葉と、 宣長が使つた意味合での 「物」 といふ言葉とを使つて、 かう言つてみても よささうだ、 歌とは、 意識が出会ふ 最初の物だ、と。 さう言ひたかつた宣長を 想像してみても よいであらう。」小林秀雄 『本居宣…

真の批評は、そこから始る筈だ

「評家が 批評方法といふ武器を 捨てて了つた、 而も まだ 言ふ事があるなら、 真の批評は、 そこから始る筈だ」小林秀雄 昭和十一年中山省三郎宛て私信でドストエフスキー論を書いた動機について述べながら---------------------------------- 【Amazonマケ…

美しい「花」がある、そうそれ!

「美しい「花」がある、 「花」の美しさ という様なものは ない。」小林秀雄---------------------------------- 【Amazonマケプレ出品中】 ♪いま聴いている曲はコレ♪【おすすめCD】 間テクスト性について知りたい方はコチラ マンガも偏って読んでます。 『…

生きてゐる人間≠動物

「生きてゐる 人間とは、 人間に なりつゝある 一種の動物 かな。」小林秀雄『無常といふ事』

ペチャンコになった彼の悲鳴が、ちょいちょい顔を出し

「フローベルが 「馬鹿は花崗岩だ。打突って行けば、 当方がペチャンコになる許りだ」 と嘆いた。 彼は小説を書く時には、 ペチャンコになる事を、一生懸命注意したらしいが、 「ボヴァリー夫人」だってペチャンコになった 彼の悲鳴が、ちょいちょい顔を出し…

一番純粋な痛烈な理想家

「僕は乃木将軍という人は、内村鑑三などと同じ性質の、明治が生んだ一番純粋な痛烈な理想家の典型だと思っています。」 小林秀雄「歴史と文学」昭和16年 スタンレイ・ウォッシュバアンが書いた乃木将軍についての本について

歴史を知るとは、己を知ることだ

「過去の経験を回想によって我が物にする、歴史家の精神の反省的な働きは、人間経験の多様性を、どこまで己の内部に再生して、これを味わうことができるか、自分の能力を試してみるという事だろう。…(中略)…歴史を知るとは、己を知ることだという、このよ…

証言、証拠のただ受け身

「証言、証拠のただ受け身な整理が、歴史研究の風を装っているのは、ごく普通のことだ。そういう研究者達の心中の空白ほど、宣長の心から遠いものは無い。」 小林秀雄『本居宣長』

しこたま抱え込んだ補助概念の整理

「研究者達は、作品感受の門を、素早く潜ってしまえば、あとは作品理解のための、歴史学的社会学的心理学的等々の、しこたま抱え込んだ補助概念の整理という別の出口から出て行ってしまう。それを思ってみると、言ってみれば、詞花を玩ぶ感受の門から入り、…

日本の歴史が今こんな形になつて皆が

「日本の歴史が今こんな形になつて皆が大変心配している。そういう時,果たして日本は正義の戦いをしているかといい様な考えを抱く者は歴史について何事も知らぬ人であります。歴史を審判する歴史から離れた正義とは一体何ですか。空想の生んだ鬼であります。…

マルクスはその統一を生きたのだ。

「マルクスは理論と実践とが弁証法的統一のもとにあるなどとは説きはしない。その統一を生きたのだ。マルクスのもった理論は真実な大人のもつた理論だ。」 小林秀雄「マルクスの悟達」

脳細胞から意識を引き出す唯物論も、

「脳細胞から意識を引き出す唯物論も、精神から存在を引き出す観念論も等しく否定したマルクスの唯物史観に於ける「物」とは、飄々たる精神ではない事は勿論だが、又固定した物質でもない。」 小林秀雄「様々なる意匠」

吾々にとって幸福な亊か不幸な亊か知らないが,

「吾々にとって幸福な亊か不幸な亊か知らないが,世に一つとして簡単に解決する問題はない。遠い昔、人間が意識と共に与えられた言葉という吾々の思索の唯一の武器は,依然として昔乍らの魔術を止めない。(中略)而も、若し、言葉がその人心幻惑の魔術を捨て…

自殺−これは芥川氏の生涯における一つの劇である。

「自殺−これは芥川氏の生涯における一つの劇である。洵に凄まじい一つの行動である。が、それ以外のなにものでもない。 彼の作品と彼の自殺とは何等論理的関係はない。」 小林秀雄「芥川龍之介の美神と宿命」

小林秀雄

「彼が後年作中で創造した驚くべき人間の数々の原型が、死人の家の記録中に見られる人間素描の内にある。彼が人間観察について独特の自信を得た場所、人間心理の異様さを表現するあの精緻を極めた独特の技術を得た場所は、非社会的分子からのみ成立した一つ…

今日まで何故に短篇小説が書く方も自然に読む方も自然に幅を利かせて

「今日まで何故に短篇小説が書く方も自然に読む方も自然に幅を利かせて来たかといふと、一口にいへばそれは思想性の欠如といふものだつたのである。日本の文学が論理的な構造をもつた思想といふものを真面目に取扱ひ出したのは、マルクス主義文学の輸入から…

素焼きの円筒をなでている職人たちの手が、やがて

「埴輪の起源は、単純ではないだろうが、素焼きの円筒をなでている職人たちの手が、やがてこの胴体に頭と手足を生やすように、自ら導かれるということはなんと単純な自然な考えだろう。」「複雑なものを単純化するなどたいした仕事ではない。複雑さに惑わさ…

個々の作品にピカソという人間を探しても無駄だろう。

「…個々の作品に ピカソという人間を探しても 無駄だろう。 またしても 新たに自己解放を求めて 駆けている人間の もぬけの殻だ。」小林秀雄 「ピカソの陶器」 ブログ内検索Amazon最安値でセンスの光る古本屋【ふぃでりお書店】を出店中です。コトバを探す(…