2012-10-11から1日間の記事一覧

あほらしい。経歴知って作品を理解するやて。

「あほらしい。経歴知って作品を理解するやて。作品は読んだらそれでええんや。経歴となんの関係がある。このごろそんなんが流行しているらしいけど、わしゃ好かんね。」富士正晴 「毛呂胡蝶」

「方法」という言葉には、とりわけ注意深くあらねばならない

「「方法」という言葉には、とりわけ注意深くあらねばならない。なぜなら、「方法」は、それが方法として在るところには、きまって存在しないからである。二流の精神が受けとり且つ応用しようとするような方法は、すでに「方法」ではなく形骸にすぎない。「…

何故働かないつて、そりや僕が悪いんぢやない。

「何故働かないつて、そりや僕が悪いんぢやない。つまり世の中が悪いのだ。もつと、大袈裟に云ふと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ。第一、日本程借金を拵らへて、貧乏震ひをしてゐ国はありやしない。(中略)あらゆる方面に向かつて、奥行を削つ…

個人には社会に対する以前にそれぞれの世間があった

「わが国には個人には社会に対する以前にそれぞれの世間があったのであるが、この世間は、彼には社会の未成熟なもの、すなわち同一線上で語りうるものとしてしか見えなかったのである。」阿部謹也 『「世間」とは何か』講談社現代新書p.202

坊っちゃんに身を寄せて「世間」をやっつける楽しみを味わってきた

「私達は長い間坊っちゃんを理想化し、坊っちゃんに身を寄せてこの小説を読んできた。そのために赤シャツや野だいこそして校長達は薄汚い存在だという評価が定まってしまった。実は私達自身が赤シャツや野だいこの同類であるからこそそれらの人々を薄汚い存…