個人には社会に対する以前にそれぞれの世間があった

「わが国には個人には社会に対する以前にそれぞれの世間があったのであるが、この世間は、彼には社会の未成熟なもの、すなわち同一線上で語りうるものとしてしか見えなかったのである。」

阿部謹也
『「世間」とは何か』講談社現代新書p.202