なんだ、偉そうに股を開いて、ーこつちは窮屈で困つてゐるのだ



 
「(なんだ、偉そうに股を開いて、ーこつちは窮屈で困つてゐるのだ。もう少し遠慮したらどんなものか。)腹立ちを言葉にすると、さうなる。それが軈て、かうなつてきた。(なんだ、この土人め、土人の癖して偉さうに股を開いて、ー土人らしく、日本人に対しては、もう少し遠慮したらどんなものか!)」 
『諸民族』新潮社 1942