突然、彼女の右わきを破ってひとりの男子が生まれ出た

「それから十ヶ月ののち、うららかな春の日ざしのなか、摩耶夫人は出産のため隣国のコーリヤ国へ里帰りの旅に出る。その途次、あざやかな真紅のアソーカ(無憂樹)の花が咲き乱れる"ルンビニーの園"でひと休みし、小さな池で沐浴するわけだが、そのあと、アソーカの枝を折ろうと右手を上に伸ばしたところ、突然、彼女の右わきを破ってひとりの男子が生まれ出た。のちの「釈迦牟尼仏」、仏教の開祖=「釈尊」の大いなる誕生である。」


ひろさちや監修
『よくわかる仏教の知識百科』
主婦と生活社 平成8 p.18