この点に冗談ごとどころではない剽窃の理論の、基礎がある

「かれ(ブレヒト)にとっては文学は、作品ではなくて装置であり、道具であって、高度化すればするほど変形や解体や転換の可能なものとなってゆく。偉大な規範的文学、とくに中国文学の考察からかれは、文学に提起される最高の要求が引用可能性であることを、見てとっている。暗示しておくなら、この点に冗談ごとどころではない剽窃の理論の、基礎がある。」

ヴァルター・ベンヤミン
「ベルト・ブレヒト
『暴力批判論』岩波文庫 1994