何處までも醜なるものが芸術の対象となるのである。

エリオットを引き、美とは伝統に支えられた規範的形體にすぎないという。「我々が通常、美と感ずるのは規範的形體と云う如きものであらう。併し抽象作用的衝動の立場に於いては、何處までも醜なるものが芸術の対象となるのである。」
西田幾太郎「歴史的形成作用としての芸術的創作」『哲學論文第四』