その思想方法はどこまでも革命的でありながら、そこから生まれる政治的結論はきわめて穏健

「その思想方法はどこまでも革命的でありながら、そこから生まれる政治的結論はきわめて穏健なものあり得るという実例を知るためには、この(ヘーゲル哲学の)体系の内部に含まれる幾多の必然的帰結を見るだけで十分である。このような結論に到達する思考の特殊形式は、たしかに、彼がドイツ人であったことに由来するものであり、彼の同時代者ゲーテにおけると同じように、彼の頭からも、(俗物の弁髪)の一片が垂れ下がっていたことに由来するものである。ゲーテヘーゲルも、それぞれに自己の領域においてはオリュンポスのゼウスであった。けれども、両者とも、ドイツの俗物たることを全く免れていたわけではなかったのである」
ハインリヒ・ハイネ『浪漫派』