時代精神がフリードリヒ・シラーをいきいきとつかんだ。

時代精神がフリードリヒ・シラーをいきいきとつかんだ。かれはこの時代精神と格闘した。かれはそれに圧倒され、それに服して戦い、その旗を持った。…シラーは革命の偉大な思想のために書いた。彼は精神上のバスティーュを破壊し自由の神殿の建立に献身した。しかもすべての国民を結束させるべきあの偉大な神殿の建立に献身した。かれは世界主義者であった。かれは『群盗』のなかで見られる過去にたいするあの憎悪をもって始めた。かれはすでに『ドン・カルロス』のなかで花咲く森のように咲き出ている未来への愛をもって結末をつけた」
ハインリヒ・ハイネ『浪漫派』