郷里の百姓に物を教へうるなどといふ夢から醒めたまへ


「歴史を手本とする教養主義を棄てたまへ。警官より物を知つてをり、郷里の百姓に物を教へうるなどといふ夢から醒めたまへ。あるいは、そんなことは十分心得てゐると言ふかもしれない。それなら「純粋なる学生の心」に賭けて戦術主義をさつぱりと棄てたまへ。」

福田恆存
「常識に還れ」
福田恆存評論集6 1966年 新潮社