経験というものは、相手と何ものかを分つ事である

「経験というものは、己れの為にする事ではない。相手と何ものかを分つ事である。相手が人間であっても事物であってもよい、相手と何ものかを分って幸福になっても不幸になってもよい、いずれにせよ、そういう退っ引きならぬ次第となって、はじめて人間は経験というものをする。」

小林秀雄
「匹夫不可奪志」
『古典と伝統について』p.134 昭和43

経験について、相手、