ある人間が生まれ落ちた瞬間に自分の人生にコミットすることは避けられない

「ある人間が生まれ落ちた瞬間にある国にコミットし、自分の人生にコミットすることは避けられない。ほかの国・ほかの時代には生まれ落ちることができなかったということは絶対に決まっているわけです。そのことをいくら自己批判し、いくら自己の限界を拡大していったとしても、普遍性には絶対に到達できない。ですから、普遍性への欲望をあきらめつつ、かつ可能世界の想像力をテコにして、他者への倫理的態度を育てることができないか、というのが僕の基本的な関心なんです。」

東浩紀ナショナリズムゲーム的リアリズム
『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』講談社 2007 p.418