小林秀雄「神風という言葉について」

「疑おうとすれば、今日ほど疑いの種の揃っている時はないのだ。一切が疑わしい。……疑わしいものは一切疑ってみよ、人間の精神を小馬鹿にした様な赤裸の物の動きが見えるだろう。そして性欲の様に疑えない君のエゴティズム即ち愛国心というものが見えるだろう。……」

小林秀雄
「神風という言葉について」