核と過去、現在と原発, 2012/1/25

【007/サンダーボール作戦 レビュー】


NATOの訓練飛行中に消息を絶ったイギリス空軍機の行方を追うボンド。

1 億ポンド相当の金塊を要求してきた謎の組織スペクターの目的は、
空軍機が搭載していた原子爆弾2基だった。時代を感じさせる映像ながらも、
随所で色気を醸すショーン・コネリー版ボンド。

60年代当時の冷戦下の核の脅威を身近なものとした時代の雰囲気がうまく表現され、
むしろ現在の状況ともシンクロする。

( なんと時計型のガイガーカウンターや放射性カプセルも登場する。)

3.11と原発事故を経験した今、米ソ中の核実験真っ盛りの1965年に公開された本作は、

改めて核と人間の関係を見つめ直すという視点で見直すことができるかもしれない。

ボートを暴走させるラルゴとの最後の戦いに挑むボンドの姿は、

核の暴走を止める手だてのないわれわれの姿を見せられるようだ。