拒否でさえないもののはだかがそこにある

「…サルトルの『嘔吐』なんていう小説は、てらいでもなんでもないことがわかりました。いまから考えてノートル・ダムが吐き気を起こした時、これが何ともいえない一種のもの、拒否でさえないもののはだかがそこにあると感じました。」

森有正・堀田善衞「彼を見、われを思う」p.33
森有正『言葉 事物 経験』晶文社、1968