ジュネは同性愛的なたましいの構造を極限まで分析しつくした


「小説(『ブレストの乱暴者』)は

ジュネらしいみごとな文体の音楽をもって書かれ、


彼の作品のなかでもとりわけすっきりした構成をもっている。


神話的な構成といってもいい。


ジュネは、この小説で、


神話的な手法を使って、


同性愛的なたましいの構造というものを、


ほとんど極限まで分析しつくしてみようとした。


そのために、この小説は、彼のどの作品にもましてキリスト教的である。」


中沢新一
?眼のオペラ「シネマ・アモセクシャル」『幸福の断片』河出文庫 1992 p.38-39