実状は文学だったものが千年の伝統を築いた後の文学

「…文学とは呼ばれなくて


実状は文学だったものが


千年以上もの


文学の伝統を築いた後に、


文学であることになっている


文学が出来て百年になる


などというのは、


世界に類例がないことである。」

吉田健一
『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.8