児童文学が子どものための文学ではなく、大人にも意味...

「変革者としての子どもは、


大人のなかに住んでいる、


とも言えるのである。


こんな風に考えてゆくと、


児童文学が子どものための文学などではなく、


大人にとっても子どもにとっても


意味ある文学であることが、


よくわかるのである。


それは透徹した


「子どもの目」


によって見た宇宙を描いているものとして、


大人たちに思いがけない真実を


開示するのである。」

河合隼雄
『子どもの宇宙』岩波新書 p.38 1987