2011-04-23 そしてすべてが、死刑廃止の主張へと集約される。 フランス文学 「『死刑囚最後の日』は 人を狂気せしむる作品だと、 ある人が言っている。 実際そこには、 死刑の判決を受けてから 断頭台にのぼせらるる最後の瞬間に至るまでの、 一人の男の肉体的および精神的苦悶が、 微細に解剖され抉剔されている。 生きてる首を切らるる、 自然から受けた生命を人為的に奪い去らるる、 その当人の現実的な苦悶が、 熱情をもって叙述されている。 そしてすべてが、死刑廃止の主張へと集約される。」 豊島与志雄「解説」 ユーゴー『死刑囚最後の日』1950 p.4