後世まで行われていたお歯黒の習慣も南方的な

「抜歯の風習は、台湾・南シナ・インドシナ・マライ・ポリネシア・オーストラリア・アフリカなどの原住民に、広く行われた南方的な習俗である。おそらくすでに行われていたと思われる全身の文身も南方起源の風習であるらしく、後世まで行われていたお歯黒の習慣も南方的なものである。(略)…日本文化における南方的要素は、絶対に否定できないものである。しかもそれは西部日本に色濃く広がっている。」

大野晋『日本語の起源』岩波新書 p.78 昭和32年