いわばひとつの偏見から出発するもの

「注釈は、価値評価とはいささかちがう。価値評価は、いやがうえにも慎重に明暗を光と影に分けてゆくものだが、注釈はそれとはちがって、対象とするテキストを古典とみなすところから、したがっていわばひとつの偏見から出発するものであり、また、テキストの美しさとポジティヴな内容とだけを問題とするものである。」
ヴァルター・ベンヤミンブレヒトの詩への注釈』