2007-10-22 深き水底に潜くとすれど、 日本文学 「あやしとも思はで、尾を振、鰭を動かして心のままに逍遥す。まづ長等の山おろし、立ゐる浪に身をのせて、志賀の大湾の汀に遊べば、かち人の裳のすそぬらすゆきかひに驚されて、比良の高山影うつる、深き水底に潜くとすれど、かくれ堅田の漁火によるぞうつつなき。」 上田秋成「夢応の鯉魚」『雨月物語』1776