柳田國男

「私がこの本の中で力を入れて説きたいと思ふ一つの点は、日本人の死後の観念、即ち霊は永久にこの国土のうちに留まつて、さう遠方へは行つてしまはないといふ信仰が、恐らくは世の始めから、少なくとも今日まで、可なり根強くまだ持ち続けられて居るといふことである。是が何れの外来宗教の教理とも、明白に喰ひ違つた重要な点であると思ふのだが<以下略>」
柳田國男『先祖の話』